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【光学エンジニアの解説】ミノルタ大口径望遠ズーム MINOLTA AF APO TELE ZOOM 80-200mm F2.8 -分析124

ミノルタの大口径望遠ズーム AF APO 80-200mm F2.8の性能分析・レビュー記事です。

さて、写真やカメラが趣味の方でも、レンズの仕組みや性能の違いがよくわからないと感じませんか?

当ブログでは、光学エンジニアでいわゆるレンズのプロである私(高山仁)が、レンズの時代背景や特許情報から設計値を推定し、知られざる真の光学性能をやさしく紹介します。

当記事をお読みいただくと、あなたの人生におけるパートナーとなるような、究極の1本が見つかるかもしれません。

作例写真は準備中です。

レンズの概要

ズームレンズの中でも、プロ御用達の上位レンズの一部は俗に「大三元レンズ」と呼ばれています。

まず、本来の大三元とは麻雀用語で、ゲームでのアガリ手段の中で高得点を得られる特別な組み合わせ「役満の一種」です。

大三元は特定の3種の牌(パイ)を集めると成立するため、これを転じて「最上級の3本のレンズ」との意味合いで大三元レンズと称されているのです。

大三元レンズは、焦点距離仕様が広角ズーム/標準ズーム/望遠ズームの3本の組合わせで、かつFnoの仕様が広角端から望遠端までF2.8一定(通し)の明るい大口径ズームレンズであることが一般的です。

Fnoが明るいF2.8の通しズームレンズは、大型化が著しく、収差補正に課題もあり、各社から製品が出始めるのは1980年代以降のことで、大三元レンズの形が定番化したのは2000年代を越えてからです。

それでは、当記事で分析するMINOLTAの大三元レンズの一角である大口径望遠ズームレンズの系譜を確認しみましょう。

   ※(カッコ)発売日

MINOLTAは、かつてオートフォーカス一眼レフを世界で初めてシステム化した名門カメラ企業でしたが、2006年にSONYへカメラ事業を譲渡していますので、MINOLTAからSONYまでを一覧にまとめています。

MINOLTAが世界初のオートフォーカス一眼レフカメラα-7000を発売したのが1985年、その後の1987年に大口径F2.8仕様の望遠ズーム80-200mmが初登場しています。

このレンズは1993年、光学系を流用しフォーカス機構などを強化したGタイプとなり、ズームレンズとしては比較的に息が長く生産されたようです。

ちなみに、F2.8一定(通し)の大口径ズームレンズであることにはいくつかの重要性がありました。

まず、当時はフィルムの時代ですから、常用ISO感度は400が一般的な時代です。Fnoが少しでも明るい事は撮影機会を拡大するうえで大変重要でした。

また、当時は光学ファインダーの時代ですから、レンズを通した素通しの明るさで見ることしかできません。F5.6などのレンズではファインダー像が暗く見づらいため、ファインダー像を観察しやすい明るい像にするため大口径レンズであることは重要でした。

ミラーレス一眼カメラは、ファインダー画像の明るさをデジタル的に明るく補正してしまうため、現代のミラーレスユーザーにはピンと来ないかもしれませんね。

さらに、Fnoが一定であればズーム動作しても露出条件が一定ですから各種セッティングを変更する手間がかかりません。まだ自動露出も完璧ではなかった時代ですから露光条件に厳しいポジフィルムを使うプロには重宝されたわけです。

現代のデジタルカメラは非常に正確な自動露出が可能で、かつ瞬時に撮影結果がわかりますから、この点も今では伝わりにくい時代になりました。

それではMINOLTAの初代大口径F2.8仕様の望遠ズームの性能を確認してまいりましょう。

文献調査

各社の特許出願の方針というのは明確に分かれておりまして、思いついた事を片っ端から出願する企業もあれば、比較的製品に近い事しか出願しない企業、特許自体をあまり出願しない企業、MINOLTAは製品化された事は特許出願を行う企業なので、発売年近傍の特許を調べますと発見することができます。

発見した特開1989-039542を確認すると多数の実施例が記載されておりますが、形状から推測して実施例1を製品化したと仮定し、設計データを以下に再現してみます。

 関連記事:特許の原文を参照する方法

!注意事項!

以下の設計値などと称する値は適当な特許文献などからカンで選び再現した物で、実際の製品と一致するものではありません。当然、データ類は保証されるものでもなく、本データを使って発生したあらゆる事故や損害に対して私は責任を負いません。

レンズレビュー公認レンズクリーナー:公認の秘密はこちら

設計値の推測と分析

性能評価の内容などについて簡単にまとめた記事は以下のリンク先を参照ください。

 関連記事:光学性能評価光路図を図解

光路図

左図(青字Wide)は広角端で焦点距離80mm、右図(赤字Tele)は望遠端で焦点距離200mm

上図がMINOLTA AF APO TELE ZOOM 80-200mm F2.8の光路図になります。

その他のレンズ分析記事をお探しの方は、分析リストページをご参照ください。

以下の分析リストでは、記事索引が簡単です。

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  • この記事を書いた人

高山仁

光学設計一筋40年を超えるの世界屈指のプロ光学設計者。 さてその実態は零細光学設計事務所を運営するやんごとなき窓際の翁にしてレンズレビュー・コンソーシアム会長。 当ブログへのリンクや引用はご自由にどうぞ。 更新情報はXへ投稿しております。

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