私こと高山仁は、世界で唯一写真用レンズの設計値を分析する「レンズレビュー」を主催しているレンズのプロであると同時に、数多くのカメラバッグを試してきたカメラバッグのプロです。
そんなカメラバッグ評論家の私が、理想のカメラバッグを探す終わりの無い旅の記録をお届けします。
今回は「通勤用カメラバッグを探す」をテーマにHAKUBA プラスシェル アーバンライト 02 バックパック Sの報告を行います。
新刊
今回のテーマ
今回は「通勤に最適なバックパック型のカメラバッグ」をテーマに紹介します。
通勤時においても心に残る景色を写し撮るために、常にお気に入りのカメラを肌身離さず持っていたいものですよね。
ただし、あまり仰々しいサイズでは通勤の邪魔になりますし、その姿を上司にでも見られようものなら「あいつは会社に何しに来ているのか?」と問題になりかねません。
また、いかに勤労意欲が低い私のような者でも年に数回は急に書類を運んだり、他社を突然訪問する機会が生じることもありますので、多少の書類(A4サイズ)が収納できる形状でなくては困ります。
そんな非常に難しい問題を解決するカメラバックがついに誕生しました。
しかも、あの国産優良メーカーのHAKUBAからの発売です。
最初に結論から言うとこのバックです。
これより実際の使用感を元に、詳しくご紹介いたします。
バックパックでの通勤も一般化
最初に少し小話をします。
かつて、私が若かりし頃のサラリーマンの通勤スタイルは「スーツにブリーフケース」以外にありえなく、バックパック(リュック)を背負うなど「出張にでも行くのか?」と勘違いされるものでした。
近年は、タブレット端末やノートパソコンを持ち歩くことが一般化したこともあり、スーツ姿のサラリーマンがバックパックを背負うスタイルもすでに普通になりましたね。
例えば、AMAZONで人気の高い普通のビジネス向けバックパックはこちらの商品でしょうか。
しかし、バックパックでの通勤が一般化したとえはいえ、普通のビジネスバッグに大事なカメラを入れるのは心配ですし、使い勝手に難がありました。
反対に、普通のカメラバッグはA4書類が入らいない物が多く、機材を守るクッション材が強固でいかにもカメラバッグらしい見た目で「会社バレ」してしまいます。
この問題を解決する通勤にも使えて、カメラ機材も安全に収納できる「最高の通勤カメラバッグ」が誕生しました。
その名は「HAKUBA プラスシェル アーバンライト 02 バックパックS」です。
HAKUBA プラスシェル アーバンライト バックパックSの特徴
HAKUBA プラスシェル アーバンライト 02 バックパックSは、一般のバックパックに比較しても小さめなサイズでありながら、カメラ収納部と書類などのA4サイズのファイル収納部を備える「通勤用カメラバック」として最高の仕上がりです。
まずは全体を見てください。
一般的なバックパックで言うと20Lサイズぐらいの外観で、電車通勤でも邪魔になりにくいサイズです。
内部は上段は小物入れ、下段がカメラ収納部の2気室と、背面部にタブレット端末や書類を入れるスペースがあります。
順にご紹介しましょう。
ジッパー
まずは、細かい部分に着目してください。
ジッパーはオリジナルな引手付きのデザインで、一昔前の「カメラバック=野暮ったい」の常識を覆す秀逸さです。
「神は細部に宿る」を地で行くようなスタイルで、これはすでに哲学ですね。
ハンドル
バック上部の持ち手(ハンドル部)をご覧ください。
一般的なカジュアルバッグやアウトドアバッグは細くて硬いハンドルなのですが、このバッグは機材の重みで手が痛くなるのを防ぐため厚みがあってやわらかな素材となっています。
近年の中華製バッグの質も少しは向上しましたが、こういった本当の配慮が日本のメーカーにしかできない「心遣い」というものですね。
ベルト上部
登山用バッグに比較するとクッションの薄めのベルトですが、通勤には仰々しくない程度で実用性と見た目のバランスが取れています。
ベルト上端にはオプションパーツである「首の負担がゼロフック」の装着が可能で、専用フックへカメラのストラップをかけることで首の負担を激減させることが可能です。首コリの強い私にも大変助かるオプションです。
ベルト下部
チェストベルトは上下に高さを変更できる構造で、なで肩の私には必須アイテム。
チェストベルトを留めるバックル部もオリジナルな感じで高級感がありますね。
背面部
背面部のクッションは、少し控えめですが大量に機材を入れるようなバッグではありませんし、通勤用と考えると適正でしょうか。
サイドポケット(右手側)
右手側にはサイドポケットがあります。
三脚や一脚なども収納できるよう本体と同じ丈夫な生地の深い造りで、袋部分にはゴムバンドが着いており強い固定力があります。
さらに上部にはマジックテープのバンドあり締めつけられるので、収納物が落下する心配はありません。
一般的なバッグはメッシュ状の小さな袋みたいな形で中身が落ちやすいですが、まったくの別物です。
バッグ内部:上段側(小物スペース)
ここからバッグの内部を説明します。まずは上段側から。
上段側を開けた様子です。
上段は小物入れといった様子で、小さなポケットと小型カラビナの付いたキーチェーンが装備されています。
内部は蛍光オレンジで、カメラバッグではよく見かける色合いです。
ちなみに、このように派手な色合いにするのは理由があります。
カメラなどの機材は黒色が多いので、黒い内装色だと機材が見つけづらいので判別しやすいようにわざと派手めな色にしているのです。
上段は小物入れと説明していますが、小さなポケット側にも小型のカメラが余裕で入りますし、
上段全体を使えばフルサイズミラーレス一眼も入ります。
ただし、上段はクッション材が無いので機材の収納には注意が必要です。
なお、収納力については後ほどさらに詳しく紹介します。
バック内部:背面側(書類スペース)
バッグの背面にそうようにタブレット端末や書類の入るスペースが確保されています。
就業中、急に書類を運搬する事態となった時でも安心で、普段の通勤時にはカメラ雑誌を入れておくのも良いですね。
今回は、背面部の収納力をお見せするためにA4クリアファイルケースを用意しました。
このように背面部へスッキリとA4クリアファイルを収納することができますので書類を傷めずに移動できますねえ。
バッグ内部:下段側(カメラ収納部)
ここからがある意味、本体とも言うべきカメラ収納部を紹介します。
バッグの左手側にカメラ収納部へアクセスするためのジッパーが付いています。
収納部を開けた様子です。
バッグの見た目以上に広く感じる不思議なカメラ収納部には、小型のカメラなら5台は軽く入るでしょうか?
最新のミラーレス一眼なら単焦点付きの本体と小型なズームレンズ1本ぐらいは収納可能です。
収納力確認
例えば交換レンズ式カメラ1台分と言っても「縦グリップ付きフルサイズミラーレス一眼」と「世界最小一眼レフPENTAX 110」では大きさが違いすぎてよくわかりませんよね?
そこで収納力を検証するために「500mlペットボトルが何本入るのか」検証してしてみました。
下段:カメラ収納部
下段カメラ収納庫には3本のペットボトルが横方向に余裕を持って入ります。角型だったら4本入ったかもしれませんね。
マイクロフォーサーズだったら十二分なサイズですね。
上段:小物入れスペース
上段の小物入れには2本のペットボトルがぴったりと収納でき、ジッパーも問題無く開け閉め可能でした。
通勤時の小物入れとしては十分な容量ですね。
サイドポケット
サイドポケットにはペットボトル1本分の容量があります。
一般のバッグよりも深さがあるので、三脚や一脚を入れても安定感があります。
緊急時に備えて
ここで、僭越ながら有事の際に備えたアイテムをご紹介させていただきます。
万が一、会社や出先でバックを開ける自体となった時、同僚や上司の前で機材を見せつけるわけにいきませんから、このようなビジネスライクなペンケースを準備しておくことをおススメします。
このペンケースは、表面にはダミーのボールペンを装着が可能で、万が一バッグの中を見られても問題が無いように偽装できます。
当然ですが、このペンケースにはレンズメンテナンス用の「レンズペン」やクリーニングペーパーなどを収納しておくのが主目的です。
このレンズペンは、バッグと同じHAKUBAが発売している逸品で、私も20年ほど愛用しています。
レンズのクリーニングに興味のある方は、こちらの記事にプロの技をまとめておりますのでご覧ください。
関連記事:簡単に綺麗になるレンズクリーニング方法
さらに、万全を期すために、このようなケースを活用するのもご検討いただきたい。
こちらは一見すると普通の名刺入れですが…
実は、予備のSDカードを収納するケースです。
どうみてもビジネス用品ですから、万が一にもバッグ内を見られても「名刺入れ」としか見られませんから安心安全ですね。
デメリット
この通勤用カメラバッグとしては最強と思われるHAKUBA プラスシェル アーバンライト 02 バックパック Sですが、少しデメリットも少しお伝えせねばなりませんね。
そのデメリットとは、おとなし過ぎるデザインでしょう。
通勤用の偽装バッグとしては大変重要なメリットでもありますが、休日にもこのバッグを利用したい方には黒一色だと少しさみしいデザインかもしれませんね。
そんな時には、当ブログのオリジナルキーホルダーなどを装着してはいかがでしょうか?
こちらで販売しておりますので、是非ご検討のほどよろしくお願いいたします。
関連情報
さて、以上でHAKUBA プラスシェル アーバンライト 02 バックパックSのご紹介を終わります。
つまらない仕事はさっさと片づけて「帰宅がてらどこかへ撮影に行こうかな?」そう思ったら、撮影地に関する書籍をまとめた記事をご用意しておりますので是非ご覧ください。
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