歴史的銘玉として有名なライカの広角レンズ スーパーアンギュロン 21mm F4 と F3.4の性能分析・レビュー記事です。
さて、写真やカメラが趣味の方でも、レンズの仕組みや性能の違いがよくわからないと感じませんか?
当ブログでは、光学エンジニアでいわゆるレンズのプロである私(高山仁)が、レンズの時代背景や特許情報から設計値を推定し、知られざる真の光学性能をやさしく紹介します。
当記事をお読みいただくと、あなたの人生におけるパートナーとなるような、究極の1本が見つかるかもしれません。
作例写真は準備中です。
レンズの概要
現代的カメラシステムの始祖として不動の地位を誇るLEICA(ライカ)の始まりのレンズはElmar 50mm F3.5(1930年)で、ここから標準レンズが50mmとなりました。
LEICAのレンズは、焦点距離35mm→28mmと広角化を進め、1958年には焦点距離21mmの当時としては超広角域に達します。
製品ラインアップとしては焦点距離18mmや15mmの超広角レンズも開発されましたが、まだしばらく後の事です。
LEICAのレンズは、主に仕様ごとにモデルネームが付けられており、21mmの広角にはSuper Angulon(スーパーアンギュロン)の名が付いています。
元々Angulonとは、ドイツのレンズ専業メーカーSchneider Kreuznach社(シュナイダー社)の広角レンズシリーズの名前で、LEICA向けに供給された21mmの超広角域の仕様のレンズにはさらにSuperの名を付与しSuper Angulonと付けられています。
1958年にSchneider Kreuznach社が開発した初代のLeica Super Angulon 21mm F4は、1963年に構成も異なる二代目Super Angulon 21mm F3.4へリニューアルされています。
当時としては超広角に類する特殊な仕様でありながら、短い期間にリニューアルされたのはなぜなのか?
今回の記事では2本まとめて分析することで、この謎に迫ってみたいと思います。
文献調査
日本の特許庁のデータベースには1970年ごろまでのデータしか電子化されていませんが、欧州の特許庁に相当する機関のデータベースを検索すると古くは1880年台の特許文献もデータ化されている物もあります。
欧州にもタイトルや番号しか無い場合は、GooglePatentsで電子化されている場合もあり、調査にはなかなか難儀しますがコタツにいてもデータが手に入る良い時代になったものです。
調査結果として、初代Leica Super Angulon 21mm F4と思われる文献はUS2897725、二代目21mm F3.4はUS3209649であると構成図より推定されます。
それぞれ実施例1を製品化したと仮定し、設計データを以下に再現してみます。
また、分析記事の中で参考に紹介する古典的な広角レンズRoosinov(ルシノフ)型は、US2516724の実施例2を使っております。
関連記事:特許の原文を参照する方法
!注意事項!
以下の設計値などと称する値は適当な特許文献などからカンで選び再現した物で、実際の製品と一致するものではありません。当然、データ類は保証されるものでもなく、本データを使って発生したあらゆる事故や損害に対して私は責任を負いません。
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設計値の推測と分析
性能評価の内容などについて簡単にまとめた記事は以下のリンク先を参照ください。
光路図
左図Super Angulon 21mm F4(初代)、右図Super Angulon 21mm F3.4(二代目)

上図の左図がLEICA Super Angulon 21mm F4と、右図がF3.4の光路図になります。
