分析052 写ルンです -4- 実写編

富士フィルムが販売するフジカラー「写ルンです」の実写サンプル写真の紹介記事です。

はじめに

フジカラー「写ルンです」は、富士フィルムが販売する「レンズ付きフィルム」の商標です。

「レンズ付きフィルム」とは、簡易的なカメラにフィルムや電池を製造時に装填した状態にして販売されている商品で、購入した瞬間から撮影が可能であり、撮影後にはそのままカメラ店へ持ち込めば写真がプリントされ、またカメラ部分は回収されリサイクルし再販売されるシステムとなっています。

よく「使い捨てカメラ」と呼ぶ方がいますが、リサイクルを前提としたエコなシステムであり、写真・カメラ好きを自称される方は正規名称である「レンズ付きフィルム」と呼んでいただきたいものです。

さて、この記事のに至るまでの前3回に渡り「写ルンです」の歴史、本体構造、光学系の分析を行ってきました。

本記事では一旦は最終回として実写したサンプル写真を紹介します。

関係する「写ルンです」シリーズ記事は以下をご参照ください。

  1. 基礎編
  2. 構造編
  3. 光学編
  4. 実写編(本記事)

フィルム現像について

まず、お若い方のために「フィルム現像とは」として、少し説明しておきましょう。

現代のデジタルカメラにはCMOSセンサーと言う光を感知し電気信号を出すデジタル素子が入っていますが、昔のカメラや「写ルンです」にはその代わりにフィルムが入っています。

フィルムとは、光を当たると化学変化(感光)を起こし、写真になると言う仕組みです。

しかし、この「フィルム」は、デジタルカメラのように撮影しただけでは画像を見ることができません。

「現像」という化学処理を施すことでようやく見える状態にします。

現像したフィルムの状態は色味が反転した「ネガ」と言われる状態でなんとなくしかわかりません。

さらに「プリント」と言う処理が必要です。

 ※「ポジ」と言われるタイプのフィルムもあります。

現像した「ネガ・フィルム」から「プリント」することでようやく「正しく見える」状態になるのがフィルムカメラの基本的なシステムです。

フィルム現像事情

私自身、フィルムで撮影をするのは2010年ごろが最後で、執筆現在(2021年)でなんとおよそ10年ぶりとなります。

2010年ごろと言えば、コンパクトデジカメは隆盛を極めておりましたが、一眼レフではまだフィルムを使う方も多かったはずです。

当時の現像に関する環境は、田舎でも近所のカメラ店で気軽に依頼でき、現像からサービス版へのプリントまでは基本的にどこでも即日処理でした。

2021年現在では、我が家の近隣にある写真店ではフィルム現像自体は引き受けるものの、その店舗では現像を行っておらず、どこかへ依頼するのか現像完了までに少々時間を要するようです。

そこでまずは最近のフィルム現像の状況はどうなっているのか、価格等も含めて事情を調査してみました。

カメラのキタムラ

まずは、一般的なカメラ店の代表(基準)として「カメラのキタムラ」でのフィルム現像の状況を紹介します。

 

なお、キタムラを代表として選択したのは全国各地に多くの実店舗があるためです。

 

キタムラにおけるフィルム現像について確認すると全店ではありませんが、未だに多くの店舗で「当日フィルム現像」を行っているようです。現代でも当日仕上げができるとはさすがですね。

 ※誠に残念ながら我が家の近隣はキタムラが無い田舎です。

さて、本題のキタムラのフィルム現像価格は以下のようです。

  • 現像料金 792円
  • データCD 550円
  • 計 1342円

※価格は税込み、2021年時点

データCDについても合わせて調べてみました。今の時代、電子データにしておかないと管理が大変ですし、全部プリントするのももったいないのでデータ化は必須でしょう。

しかし、CDドライブが自宅に無いのが少々痛い…

なお、データCDに格納される画像の画質は、200万画素程度だそうです。

格安フィルム現像店 カメラのみなみや

楽天市場で「フィルム現像」で検索すると最安値で出てくるのがこちら「カメラのみなみや」です。※2021年4月調べ

もちろん「カメラのみなみや」以外にもネット上でフィルム現像を引き受ける店舗はたくさんありますが、この「みなみや」は楽天市場で依頼&決済ができるので普段から楽天市場を使用していればワンクリックで依頼が可能なところが最高です。

気になる「カメラのみなみや」の現像価格はこちらです。

  • 現像料金+データCD 400円
  • フィルム送付料 370円 (レターパックライト利用時)
  • 計 770円

※価格は税込み、2021年時点

フィルムをスキャンしデータCDに格納される画像ファイルサイズは、届いた物を見ると1545x1024ピクセルで150万画素程度の情報量です。

縦方向1024と言うことは、写真を等倍でHDモニタに表示した際に縦方向いっぱいに表示され、少し左右は画面が余る状態になります。一般的なWeb用途としては十分です。

プリント時にはフィルムから行えば情報量はもう少し増えると思います。

なお、フィルムを「みなみや」まで郵便や宅急便などで送付しなければなりません。その際に送料は別途必要となりますが、レターパックライトが安いそうです。

正確には検証していませんが、レターパックライト専用封筒にはフィルム単体なら5本以上、「写ルンです」なら少なくとも3個程度は入るでしょうか。まとめて送るとその分だけお得です。

フィルム1本だけで比較してもだいぶお安いようですが。

キタムラですと店舗によっては当日現像も可能ですから一長一短ではあります。

依頼からフィルム現像までの流れ

さて、安さに目がくらみ「みなみや」へフィルム現像を依頼してみました。

「みなみや」への注文から受け取りまでの手順は、以下になります。

  1. 楽天市場で注文依頼&支払い
  2. 郵便局かコンビニでレターパックライトの専用封筒を購入
  3. ポストへ投函
  4. 数日後「みなみや」から発送通知がEメールで到着
  5. さらに翌日、現像済フィルムとデータCDが到着

※送付手段は、宅急便等なんでも構いません。

レターパックライト専用封筒を購入すると送料分も含まれているので、切手等を購入する必要はありません。

サイズ的にもフィルムや「写ルンです」の厚みならそのままポストへ投函可能ですから下手に自分で封筒を準備するより楽です。

なお、コンビニならローソンですと封筒購入からポスト投函まで一緒に可能です。

今回、月曜日の午前10時にポストへ投函し、現像済フィルムが届いたのはその週の金曜日の午後でした。現像と返送処理自体は到着日当日に行ってくれるそうです。

なお、あくまでも一例であり、お住まいの地域により日数は多少前後するでしょう。

また、送付するフィルムは水濡れの危険を避けるためビニール袋へ入れ密封してからレターパックライト封筒へ入れることをお勧めします。

さて、現像済のフィルムとスキャンしたデータCDは、このような配慮の行き届いた梱包状態で返送されてきました。

作例・サンプルギャラリー

フィルム現像と同時にスキャンしデータCDへ格納していただいたので、そのままの写真を以下に記載します。

現像ソフト等での修正はしておりません。

この懐かしい画質、なんと表現するのでしょうか…

昭和フィルター?とでも言うべきか、全てのものが不思議と懐かしい雰囲気になりますね。

Photoshopなどを駆使すれば似たような事ができるのでしょうが、デジタルカメラで軽い気持ちで撮影したものを画像処理をするのと、たった27枚しか撮れずファインダーも適当な「写ルンです」で撮影するのとでは、1枚づつの重みが違うように感じます。

おわりに

今回、2021年春休み特別企画として4回の記事に分割し「写ルンです」を深く分析してみました。

たった1枚のレンズに創意工夫を凝らし、商品化した開発者のその胆力には驚愕しました。

そして、リサイクルを前提としたエコシステムの構築により「億の人々」に幸せを提供した事実に心が震えます。

だから私はこの製品を「近代工業史に残る傑作」と称賛するのです。


もし、久しぶりに「写ルンです」で遊んでみたいと思われた方は、以下のリンク先で価格をご確認ください。

関係する「写ルンです」シリーズ記事は以下をご参照ください。

  1. 基礎編
  2. 構造編
  3. 光学編
  4. 実写編(本記事)

その他のレンズ分析記事をお探しの方は以下の目次ページをご参照ください。

 関連記事:レンズ分析リスト

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