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僕とコダクローム -後編

コダック社とは、フィルム製造を主体としたカメラ周辺機器メーカーで世界的な大手企業でした。

コダクロームとは、かつてコダック社から販売されていたフィルムの名称です。

さて「レンズ」を主題に展開する当ブログですが、当記事では少し脱線しカメラや写真にまつわる思い出を綴ります。

この記事は、前編からの続きです。

 前編記事:僕とコダクローム -前編

フィルム

前回の記事の執筆で思い出したサイモン&ガーファンクル(Simon & Garfunkel)のポール・サイモン(Paul Simon)が歌った「僕のコダクローム」(原題:Kodachrome)を聞きながら、久しぶりにカメラへフィルムを詰めました。

前編で詳しく記載しましたが、現在(2022年)はコダクロームは製造されておりません。

しかし、辛うじて息を吹き返したコダックではフィルムの製造が続いており、現在でも購入することが可能です。

今回、購入したコダックのフィルムは、こちらのコダックのULTRA MAXです。

ちなみに私の住む地域ではコダックのフィルムは販売されていない様子でしたが、そんな田舎に住んでおりましてもAMAZONさんがしっかり届けてくれるので助かるものです。

届いたフィルムの紙箱を開け、もはや懐かしい感じのするプラスチックのフィルムのケースを取り出します。

ケースのキャップを開けると、ほんのり薬品の匂いが広がり脳内が20年ほど前の状態に戻ったようにぼんやりとしました。

ほんとうに久しぶりのフィルムの装填です。最後にフィルムを入れたのは10年ぐらい前でしょうか…

デジカメが流行してからも「フィルム撮影は長く続けたい」と思いながらも、2010年にはデジタル一辺倒となり「もはやフィルム撮影をすることなど無いのかも…」と危惧しておりました。

それにフィルムも値上がりの流れが止まらないようで、今後の供給体制も心配です。

撮りたい時には「入手困難」などとなる前に、ここで再びフィルム撮影を行うことができたのも幸運なのかもしれません。

巻き上げよう

さて、フィルター装填を終え、巻き上げレバーを捻り、レリーズに指を落とし「空シャッター」を切ると、懐かしく響くシャッター音により自分の感覚が研がれます。

撮影枚数カウンターが「1」になるまで行うこの数回の所作により、心が撮影体制に入るように「ととのう」ようですね。

撮影可能枚数の多いデジカメでは「迷うなら写しておけ」でしたが、撮影枚数の限られるフィルムカメラでは1ショットごとに緊張します。

写した瞬間に巻き上げるべきだったのか?

撮影する直前に巻き上げるべきか?

今のショットは正解か?

次の瞬間を待つべきか?

残りのフィルムの枚数は?

フィルム交換するタイミングはあるか?

一つひとつの所作に、常に自問自答を繰り返す、濃い時間を過ごすことができたように思います。

素直に緊張の時間を味わった気がします。

緊張と現像と

撮影が終わり現像へ出しました。

フィルムの現像はどうしようかと思案していたところ、最近はネットを通じて現像を依頼するのも一般的のようですね。

こちらの「カメラのみなみや」さんへ依頼しました。

みなみやさんは、現像の値段も安く、デジタルデータに取り込みもしてくれます。

楽天市場で現像を依頼(購入)し、郵送でフィルムを送ります。

郵送ですから現像したフィルムの受け取りまでには時間がかかりますが、我が家から発送しおよそ1週間後に返送されてきました。

この1週間の現像待ち期間も絶妙で、撮影内容を少し忘れかけつつも印象的なシーンだけは脳裏に残るタイミングで写真と再会になります。

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デジカメのように撮影当日に見るのとでは撮影した写真の印象が異なります。

さて、はやる気持ちを抑えながら厳重に梱包された封筒を開けます。

正しく、フィルム装填ができたのでしょうか…

正しく、露出が合わせられたのでしょうか…

正しく、ピントが合わせられたのでしょうか…

実写作例

以下の写真は、コダックのフィルムで撮影した無加工のものです。

開封した写真を眺めると

もう何かわからないが「全てが懐かしい」そんな気持ちになり、ほんとうに不思議なものです。

 注:これは撮影した自分だけが感じる効果だと思います。

私は得意では無いのですが…

デジタルカメラで撮影し、現像ソフトを駆使することでフィルム撮影調の撮影データへ仕上げることは、技術的に可能です。

しかし、画像処理で作ったデータにはどうして、思い入れが残らないのでしょうか?

私も技術者の端くれを名乗る者ですが、技術では解決しない難問がまだまだ残るようです。


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