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【光学エンジニアの解説】ニコン高倍率ズームレンズ NIKON NIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VR Fマウント時代のレンズとの比較-分析144

この記事では、ニコンのフルサイズミラーレス用の交換レンズである高倍率ズームレンズNIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VRの設計性能を徹底分析します。

さて、写真やカメラが趣味の方でも、レンズの仕組みや性能の違いがよくわからないと感じませんか?

当ブログでは、光学エンジニアでいわゆるレンズのプロである私(高山仁)が、レンズの時代背景や特許情報から設計値を推定し、知られざる真の光学性能をやさしく紹介します。

当記事をお読みいただくと、あなたの人生におけるパートナーとなるような、究極の1本が見つかるかもしれません。

レンズの概要

今回は、NIKONのフルサイズミラーレス用の高倍率ズームレンズの分析を行いますが、まずは高倍率NIKKORズームレンズの系譜を確認してみましょう。

  • Ai ZOOM NIKKOR 35-200mm F3.5-4.5S (1985)13群17枚
  • Ai AF ZOOM NIKKOR 28-200mm F3.5-5.6D IF (1998)13群16枚
  • AF ZOOM NIKKOR ED 28-200mm F3.5-5.6G IF (2003)11群12枚当記事
  • AF-S NIKKOR 28-300mm F3.5-5.6G ED VR (2010)14群19枚
  • NIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VR (2020) 15群19枚当記事
  • NIKKOR Z 28-400mm F4-8 VR (2024) 15群21枚

上のリストではNIKONの一眼カメラ用のFマウントレンズから、ミラーレス用のZマウントレンズまでを発売年順に並べています。

このリストの前年にあたる1984年には、35-135mm F3.5-4.5という現代では高倍率とまでは言わない仕様のレンズがありました。

そして、1985年に紛れもなく高倍率ズームと言える35-200mm F3.5-4.5Sが発売されています。

続いて、広角化した28-200mm F3.5-5.6D、長焦点化した28-300mm F3.5-5.6Gが開発されました。

ミラーレスの時代になると2020年NIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VRが発売され、これが当記事で分析するレンズとなります。

さらに今回は比較相手として、およそZレンズの20年前に発売された2003年の28-200mm F3.5-5.6Gを並べて検証します。

当記事ではミラーレス用のNIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VRを「Zマウントレンズ」、比較相手の一眼レフカメラ用AF ZOOM NIKKOR 28-200mm F3.5-5.6Gを「Fマウントレンズ」と表記します。

文献調査

今回、比較相手に一眼レフ用Fマウントレンズとして最後発のAF-S NIKKOR 28-300mm F3.5-5.6Gにしようかと考えていました。

そのレンズは、特開2010-175899の実施例2が製品に近いことはわかるのですが、どうも上手く再現データを作ることができませんでした。

再現不能なデータをよく見ると、ある問題点に気が付きました。

記載された実施例2のデータでは、面番号27番目は貼り合わせ面ですが非球面であると記載されています。

ところが、一般的に貼り合わせ面を非球面にしてもほとんど収差補正効果を出すことができません。

屈折率差が無い空間に非球面を配置しても光線が曲がらないので非常に効率が悪いのです。

恐らく誤記だと思います。他に実施例がありますから、この特許の権利がおかしくなるわけではありませんが…

そんなこんなもありまして、比較相手はAF ZOOM NIKKOR ED 28-200mm F3.5-5.6Gとすることにしました。

望遠端が同じ焦点距離ですし、実はちょうど良かったのかもしれません。

28-200mm F3.5-5.6Gの特許文献は、特開2002-323655で実施例1が製品に酷似しています。

そして、今回の本題であるZマウントレンズのNIKKOR Z 24-200mm F4-6.3は、WO2020/157904の実施例1が製品構成に非常に近いことがわかります。

それでは、それぞれを製品化したと仮定し、設計データを以下に再現してみます。

!注意事項!

以下の設計値などと称する値は適当な特許文献などからカンで選び再現した物で、実際の製品と一致するものではありません。当然、データ類は保証されるものでもなく、本データを使って発生したあらゆる事故や損害に対して私は責任を負いません。

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設計値の推測と分析

性能評価の内容などについて簡単にまとめた記事は以下のリンク先を参照ください。

 関連記事:光学性能評価光路図を図解

光路図

上図の左図(青字Wide)はNIKON AF ZOOM NIKKOR ED 28-200mm F3.5-5.6G (Fマウントレンズ)

右図(赤字Tele)は、NIKON NIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VR (Zマウントレンズ)の光路図になります。

その他のレンズ分析記事をお探しの方は、分析リストページをご参照ください。

以下の分析リストでは、記事索引が簡単です。

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  • この記事を書いた人

高山仁

光学設計一筋40年を超えるの世界屈指のプロ光学設計者。 さてその実態は零細光学設計事務所を運営するやんごとなき窓際の翁にしてレンズレビュー・コンソーシアム会長。 当ブログへのリンクや引用はご自由にどうぞ。 更新情報はXへ投稿しております。

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