レンズ分析

【レンズ性能評価】SONY Planar T* FE 50mm F1.4 ZA(SEL50F14Z)-分析023

ソニー プラナー 50 1.4 ツァイスの性能分析・レビュー記事です。

レンズの仕組みやその性能は一体どう違うのか、具体的な違いがほとんどよくわかりませんよね。

雑誌やネットで調べても似たような「口コミ程度のおススメ情報」そんな記事ばかりではないでしょうか?

当ブログでは、レンズの歴史やその時代背景を調べながら、特許情報や実写作例を元にレンズの設計性能を推定し、シミュレーションによりレンズ性能を技術的な観点から詳細に分析します。

一般的には見ることのできない光路図や収差などの光学特性を、プロレンズデザイナー高山仁が丁寧に紐解き、レンズの味や描写性能について、深く優しく解説します。

あなたにとって、良いレンズ、悪いレンズ、銘玉、クセ玉、迷玉が見つかるかもしれません。

それでは、世界でこのブログでしか読む事のできない特殊情報をお楽しみください。

作例写真をお探しの方は、記事末尾にありますのでこのリンクで移動されると便利です。

レンズの概要

SONYのフルサイズミラーレス用のマウントはEマウントですが、レンズはFEレンズと名付けられています。

FEレンズはグレードによりZEISS(Z)、G Master(GM)、G(G)、無名の4段階のグレードに階層化されています。(カッコ内は製品名での略称)

このグレードについて、「G/GM」とはαマウントレンズ(ミノルタ)の高級レンズシリーズから使われた名称に由来しており、G Maser/G/無名の順に高性能のと定められているようです。

一方で「ZEISS」はドイツの有名レンズメーカーでSONYの高級コンデジなどで採用されていたレンズです。

どうやらZEISSとG Masterはどちらが上なのかは定義されていないようです。

SONYのカメラ・レンズ事業部門は2006年にミノルタを吸収・統合したため、このようなわかりづらい階層になっています。

ミノルタからの流れのレンズをG系レンズ、純SONY品をZEISS系と思えばわかりやすいのではないでしょうか。

さて本日の分析対象となるFE50 1.4は、ZEISS(Z)のグレードです。

ZEISS(ツァイス)とは現存するドイツの老舗光学メーカーでカメラの生誕と供に存在するような歴史ある企業です。

SONYとZEISSは、昔からコンパクトカメラやビデオカメラのレンズで協業関係にあり、ハイエンド製品にZEISSレンズが搭載されていました。

また、このレンズには「Planar」と言う名前も付けられていますが、ZEISSブランドにおけるガウスレンズの名称がPlanarとなります。参考に「T*」はZEISSのレンズコーティング技術の名称となります。

私的回顧録

SONYレンズの分析は当ブログでは初となります。初回ならばと標準レンズの50mmを選択しました。

このレンズはフルサイズミラーレスのFEレンズシリーズの象徴ような位置づけで登場し、ミラーレスの画質的な優位性を見せつけるための物であったと思います。そのためにコンデジ等で関係のあったZEISSを活用したのでしょう。

なかなかズッシリとして重く、長いのですが、先にSIGMAのArt50 1.4を見てますからそこまでのインパクトが無かったと言うのが当時の個人的な見解でしょうか。

あまり関連性の無い話題ですが、個人的にはZEISSと言えばCONTAX(カメラ)のイメージが強く、当時はライカよりもかっこよく見え、憧れのカメラだったのです。

SONYのレンジファインダー機として復活してもらえませんかね?当時は若くヤシカが製造しているとかよくわからなかったのですが…

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文献調査

近年の製品ですから特許文献はすぐに発見できました。しかし、製品名称にはZEISSとありますが、特許はSONYから出願されているようです。

どうしてZEISSから出願されていないのだろう… うーむ…

きっとソニーの光学設計者がドイツのZEISSへ修行に行き指南を受け設計し帰国してきたのでしょう…

SONYのホームページを見てもZWISSで設計されたとか、生産されたとか、認証されたとかのコメントは特にありませんし、きっと修行してきたのです!

これ以上、言及するとこのような場末の弱小ブログなど簡単に消されてしまうのでそう言う事にしておきます。

設計値と思われる数値の記載された特許文献はWO2019/229849です。実施例1、2ともに差はあまり無いようなので1を設計値として再現してみましょう。

!注意事項!

以下の設計値などと称する値は適当な特許文献などからカンで選び再現した物で、実際の製品と一致するものではありません。当然、データ類は保証されるものでもなく、本データを使って発生したあらゆる事故や損害に対して私は責任を負いません。


当記事を読み終えますとレンズを購入したくなる恐れがございますので、事前に防湿庫の増設を検討されることをおススメいたします。

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設計値の推測と分析

性能評価の内容について簡単にまとめた記事は以下のリンク先を参照ください。

 関連記事:光学性能評価光路図を図解

光路図

先の説明でPlanarとはガウスだと説明しましたが「ガウス、ガウスって言うけど一体何なんだ?」との疑問にお答えするために極簡単な説明記事を以下のリンク先へ準備しましたので、気になる方はご参照ください。

 関連記事:ダブルガウスレンズ

上記のリンク先の最後の説明では4群6枚構成の完全対称型ダブルガウスを説明しており、この構成そのものが1897年にPlanarと名付けられた構成です。

そして下図が、今回の設計値となります。

上図がSONY 50 F1.4 ZA の光路図です。

Planarは6枚構成ガウスのはずですが…はて?ガウス?

9群12枚構成、非球面レンズを2枚も採用しています。色収差を補正するための特殊低分散材料EDレンズも1枚投入されています。

確かに被写体側の6枚のレンズだけを見るとガウスレンズがあるようにも見えます。見方によっては元のガウスから恐竜的な進化を遂げたようだとわかります。

じっと眺めていて気が付いたのですが、仕様が似ているSIGMA Art 50 1.4の前後をひっくり返したような構成にも見えます。

SIMGAのArt 50 1.4は撮像素子側にガウス的なレンズを配置した構成になっています。

ミラーレスカメラ構造はミラーが無いぶん撮像素子側にスペース余裕があるため、従来の一眼レフ用レンズをひっくり返したようになりやすいようなので、その現象がメーカーを超えて発現しているようにも感じます。

関連記事:SIGMAのArt50mmF1.4

縦収差

球面収差像面湾曲歪曲収差のグラフ

球面収差 軸上色収差

球面収差は2016年の製品ですから後発で新しいだけにFno1.4と大口径ながら極良好に補正されています。ミラーレス化した事によりレンズ配置の自由度が向上したことも影響しているかもしれません。

像面湾曲

像面湾曲は球面収差に合わせて極良好に補正されています。元々Planarとは像面湾曲が改善したガウスレンズに付けられた名前だそうで、その名の通りの補正具合です。

歪曲収差

ガウスの対称構造を変更しているので歪曲収差の形が単純な樽形状ではなくなりました。ですが、絶対値的には極小に補正されています。

倍率色収差

倍率色収差は、極小とまでは行きませんが良好に補正されています。
最近のカメラは画像処理で倍率色収差を補正しているので、他の収差ほどは倍率色収差をシビアに補正しないのかもしれません。

横収差

タンジェンシャル方向、サジタル方向

横収差として見てみましょう。

サジタルフレアも極小です。SIGMA Art 50 F1.4の性能見た時に、これを超える50F1.4はまともな価格ではもう出てこないのではないかと思いましたが、出ちゃいましたね。

現時点ではArtの約2倍の値段ですから費用対効果をどう考えるかも難問ではあります。


レンズが増えるとケースも必要ですよね。Amazonの格安ケースが手軽でおススメです。

スポットダイアグラム

スポットスケール±0.3(標準)

ここからは光学シミュレーション結果となりますが、最初にスポットダイアグラムから見てみましょう。

軸上でc線(赤)が若干ありますが、それ以外は小さくまとまっています。色収差の観点からは半段ぐらい絞るのが良さそうです。

スポットスケール±0.1(詳細)

こちらはスケールを変更し、拡大した詳細確認用の図です。

MTF

開放絞りF1.4

最後にMTFによるシミュレーションの結果を確認してみましょう。

開放から極めて高いMTFです。解像性能を上げるために絞る必要は無いでしょう。

小絞りF4.0

画面中心(青線)から周辺の像高18mmあたりまではさらに一段の向上を見せます。

最周辺部のMTFが上がりきらないのは倍率色収差が多めに残っているためと予想されます。ただし近年のカメラは画像処理による電子的な補正で倍率色収差を抑制するそうで、当然SONYさんなら実施しているでしょう。

しかし画像処理による補正を行っていると想定すると、倍率色収差による色のにじみは画像処理で補正されると思いますが、解像感(MTF)には影響が残ります。

ただし、一般のレンズ特許ではガラス材料データの詳細までは開示されていませんので社外秘の材料を使っており、色収差が実は小さいと言う可能性も有ります。

どちらにしても極めて高いレベルの性能ですから実写でわかる違いではないでしょう。


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総評

ZEISSの名と値段は伊達ではありません。しかし、この価格でこの性能ですからお得とも言えそうです。

超高性能を求める方はこれを購入すれば十分な満足を得られるでしょう。

一方でSIGMAのArtもコスパ抜群ですし、SONYユーザーの50mm標準レンズの選択は難儀を極めるまさに苦渋の選択を強いられそうです。

実写の作例を眺めましても、解像力の高さから来る透明感は一度使うとクセになります。

予定しておりました通り、近代50mmレンズの性能比較記事を作成しました。以下のリンク先を合わせてご参照ください。

 関連記事:各社50mm F1.4の比較

SIGMA/NIKON/SONYの最新レンズ3本を比較検証しています。

類似仕様のレンズ分析記事はこちらです。

 関連記事:NIKON AI AF NIKKOR 50mm f/1.4D
 関連記事:NIKON AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
 関連記事:SIGMA Art 50mm F1.4 DG HSM

作例・サンプルギャラリー

SONY FE50 1.4の作例集となります。以下のサムネイル画像をクリックしますと拡大表示可能です。撮影時のFno等のデータについては右下の署名下へ記載しております。


当ブログの作例製作時に参考にさせていただいてます、絶景を撮るための撮影ガイド本をまとめました。

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価格調査

SONY FE50mm F1.4 ZAの価格については、以下の有名通販サイトで最新情報をご確認ください。

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製品仕様表

SEL 50 F 14 Z製品仕様一覧表

画角47度
レンズ構成9群12枚
最小絞りF16
最短撮影距離0.45m
フィルタ径72mm
全長108mm
最大径83.5mm
重量778g

その他のレンズ分析記事をお探しの方は、分析リストページをご参照ください。

以下の分析リストでは、記事索引が簡単です。

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