オリンパス の一眼レフカメラ用交換レンズシリーズより、小型 望遠レンズ ズイコー 135mm F3.5の性能分析・レビュー記事です。
このレンズは、フィルム時代のカメラであるOM専用の交換レンズですが、マウントアダプターを利用すれば現代のミラーレスカメラでも使用できます。
さて、写真やカメラが趣味の方でも、レンズの仕組みや性能の違いがよくわからないと感じませんか?
当ブログでは、光学エンジニアでいわゆるレンズのプロである私(高山仁)が、レンズの時代背景や特許情報から設計値を推定し、知られざる真の光学性能をやさしく紹介します。
当記事をお読みいただくと、あなたの人生におけるパートナーとなるような、究極の1本が見つかるかもしれません。
作例写真は準備中です。
レンズの概要
OLYMPUS Zuiko 135mm F3.5は、オリンパスの一眼レフカメラOMシステム用のズイコーレンズシリーズの小口径中望遠レンズです。
OMシステムは、1972年からスタートし、当レンズも早期からラインナップされていたとされています。
Zuikoレンズシリーズは発足時から小型化に力を入れており、特に現代のレンズと比較すると本当に小さく感じられます。
Zuikoレンズの135mmは、当記事のF3.5の小口径仕様と、半段明るいF2.8の大口径仕様の2種類が販売されており、当記事ではFnoが控えめで庶民的なF3.5の分析を行います。
レンズの外観を眺めると、鏡胴先端には簡易的なフードが組み込まれており、撮影時引き出して使います。
この簡易フードは、他のZuikoレンズでも同様の仕掛けがありますが、現代の巨大なフードと異なり小さく可愛らしいもので効果はさほどないのかもしれませんが、荷物が小さくまとまりますから便利な物で現代でも復刻して欲しい機能です。
私的回顧録
『かつては望遠レンズ』・・・その1
厳密な決まりは無いと思いますが、現代(2022年)的な感覚では焦点距離200mm以上を望遠レンズとし、焦点距離150mm~70mmあたりは中望遠レンズと分類しているように思います。
かつて、一眼レフの黎明期の1970年代あたりを振り返ると、135mmは望遠レンズであったと記憶しています。
当時から焦点距離300mm程度のレンズやズームレンズも存在しましたが、ISO感度の低いフィルムしかありませんでしたし、マニュアルフォーカスですから一般人が300mmで動体撮影するのはなかなか至難の業で、現代のダブルズームキットとは異なり誰もが買うような製品ではありません。
また、一眼レフカメラ以前のシステムカメラであるレンジファインダーカメラ(いわゆるライカ)は、構造上の問題から135mmまでが使用限界であったこともあり、1960年代までは望遠レンズの開発があまり進んでいなかったことも135mmがひとつの上限だった要因です。
よって、135mmは1970年代当時は立派な望遠レンズであり、ZuikoレンズシリーズでもF3.5とF2.8の2種が用意されていました。
その後、時が流れ大口径望遠レンズや望遠ズームが次々と開発されるなかで、いつか135mmは望遠レンズの役目を終え郷愁のレンズとして日陰の存在となりました。
しかし、そんな135mmに新たな価値を見出そうと様々な試みが行われたのもこの仕様のレンズの面白いところですが、それはまたの機会にご紹介しましょう。
文献調査
発売された年代の関係上、日本の特許データベースには電子化された資料が登録されていないようでしたが、米国の特許データでは電子化されておりました。
US3838911に記載された実施例1と3が、当レンズに近い物と推測されます。
文献のデータは焦点距離100mmに縮小されていますが、焦点距離135mmへ拡大し戻すと製品形状に酷似した状態になりますので、実施例1を製品化したと仮定し、設計データを以下に再現してみます。
製品の発売された正確な年が不明でしたが日本で特許出願されたのが、1972年となっています。
OMシリーズが1972年に開始されていますから、特許出願の時期から勘案するとカメラと同時か、もしくは1~2年程度の遅れの中で発売されているものと思われます。
関連記事:特許の原文を参照する方法
!注意事項!
以下の設計値などと称する値は適当な特許文献などからカンで選び再現した物で、実際の製品と一致するものではありません。当然、データ類は保証されるものでもなく、本データを使って発生したあらゆる事故や損害に対して私は責任を負いません。
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設計値の推測と分析
性能評価の内容などについて簡単にまとめた記事は以下のリンク先を参照ください。
光路図

上図がOLYMPUS Zuiko 135mm F3.5の光路図になります。
