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【光学エンジニアの解説】ニコン Fマウント広角レンズ 28mm F2.8の歩み NIKON NIKKOR F 28mm F2.8比較 -分析132

ニコン Fマウント広角レンズ 28mm F2.8をまとめて比較検証する記事です。

さて、写真やカメラが趣味の方でも、レンズの仕組みや性能の違いがよくわからないと感じませんか?

当ブログでは、光学エンジニアでいわゆるレンズのプロである私(高山仁)が、レンズの時代背景や特許情報から設計値を推定し、知られざる真の光学性能をやさしく紹介します。

当記事をお読みいただくと、あなたの人生におけるパートナーとなるような、究極の1本が見つかるかもしれません。

作例写真は準備中です。

レンズの概要

28mm F2.8仕様のレンズといえば、フィルムカメラの時代にはほとんどのメーカーがラインナップするほどの定番仕様でしたが、ズームレンズの隆盛により、いつしか人気が低迷し日陰のレンズとなりました。

古き良き時代は、一眼レフカメラと供に購入する最初のレンズは焦点距離50mmで、2本目に広角28mmあるいは望遠135mmあたりが選ばれたわけです。

しかし、1990年代には最初に購入するレンズといえば標準ズームレンズであることが一般化します。

すると、2本目のレンズとしてズーム域(例28-80mm)に含まれる単焦点レンズが選ばれなくなり、Fno的にも特徴の薄い28mmが不人気となってしまったわけです。

時代は移り、スマートフォン用のカメラが発展してくると、自撮り用としてレンズの広角化が進み、結果として広角レンズがとても一般的となりました。

一説によれば、スマートフォン世代には「焦点距離20mm~28mmあたりが感覚的に標準レンズなのだ」と言われています。

これを意識してなのか、執筆現在(2023年)ミラーレス一眼カメラでも手ごろな広角単焦点レンズが見直され、各社から20mm~28mmあたりの小型なレンズが相次いで発売されています。

今回の記事ではNIKONの一眼レフカメラ用Fマウントレンズにおける28mm F2.8レンズを比較検証しながらその苦難の歩みを再確認してみたいと思います。

まずはNIKONにおける28mm F2.8の系譜を確認してみましょう。

  • New NIKKOR 28mm F2.8(1974)7群7枚 当記事
  • Ai NIKKOR 28mm F2.8(1977)7群7枚
  • E 28mm F2.8 New (1979)5群5枚
  • Ai NIKKOR 28mm F2.8S(1981)8群8枚 当記事
  • Ai AF NIKKOR 28mm F2.8S(1986)5群5枚
  • Ai AF NIKKOR 28mm F2.8S New(1991)5群5枚
  • Ai AF NIKKOR 28mm F2.8D(1994)6群6枚 当記事
  • NIKKOR Z 28mm F2.8 (2021)8群9枚

NIKONの初代一眼レフカメラ「NIKON F」は1959年に誕生しましたが28mm F2.8の登場は意外に遅く最初のレンズは1974年の発売です。

なお、最初の28mmレンズはFnoの少し暗い28mm F3.5が1960年に発売され、続いてはFnoの明るい28mm F2.0が1971年に発売されています。

最初のF2.8レンズのNew NIKKOR 28mm F2.8は7枚構成で1974年に発売され、1977年発売のAi NIKKORにも光学系が流用されました。

1979年に登場するNIKON Eレンズは5枚構成で、主に海外向けに製造された安価かつ小型を優先したレンズで、28mmは国内販売されていないようです。

1981年発売のAi-Sタイプは8枚構成と豪華になるのですが、その後の1986年にAF化される際にNIKON Eと同じ5枚タイプが採用されます。

最後に1994年発売のAiAF-D6枚構成にて、Fマウント用28mm F2.8の系譜は途絶えるのでした。

純粋にFマウント用の光学系のみに着目すると、初代(1974)7群7枚、2代目(1979)5群5枚、3代目(1981)8群8枚、4代目(1994)6群6枚 の4種が存在しました。

そして、30年近い時を経て2021年にミラーレス一眼カメラ用のZマウントで復活を果たすのです。

当記事では3本レンズを詳細に分析しますが、混同を避けるため以下の表記も併用します。

  • New NIKKOR 28mm F2.8(1974)を「初代7枚構成」
  • Ai NIKKOR 28mm F2.8S(1981)を「3代目8枚構成」
  • Ai AF NIKKOR 28mm F2.8D(1994)を「4代目6枚構成」

さて、それではFマウント28mm F2.8の歩みを性能と供に振り返って参りましょう。

文献調査

New NIKKOR 28mm F2.8(1974)「初代7枚構成」は、時代的な問題で日本では電子ファイル化されていないのですが、米国特許庁には電子ファイルが作成されておりUS3635546の実施例2が良く似た光学系であることがわかっています。

Ai AF NIKKOR 28mm F2.8D(1994)「4代目6枚構成」は、過去に分析しておりまして、こちらの記事をご確認ください。

 関連記事:Ai AF NIKKOR 28mm F2.8D

問題はAi NIKKOR 28mm F2.8S(1981)「3代目8枚構成」でして、時代的に日本では電子ファイル化されていないのか発見できず、また米国へは出願されなかったからなのか発見できていません。

しかし、後年の特許文献ですが、特開平08-220427の実施例2に構成のよく似た同仕様のレンズが記載されていることがわかりました。

これらを製品化したと仮定し、設計データを以下に再現してみます。

 関連記事:特許の原文を参照する方法

!注意事項!

以下の設計値などと称する値は適当な特許文献などからカンで選び再現した物で、実際の製品と一致するものではありません。当然、データ類は保証されるものでもなく、本データを使って発生したあらゆる事故や損害に対して私は責任を負いません。

レンズレビュー公認レンズクリーナー:公認の秘密はこちら

設計値の推測と分析

性能評価の内容などについて簡単にまとめた記事は以下のリンク先を参照ください。

 関連記事:光学性能評価光路図を図解

光路図

上図左がNew NIKKOR 28mm F2.8(1974)「初代7枚構成」、中がAi NIKKOR 28mm F2.8S(1981)「3代目8枚構成」、図右がAi AF NIKKOR 28mm F2.8D(1994)「4代目6枚構成」光路図になります。

その他のレンズ分析記事をお探しの方は、分析リストページをご参照ください。

以下の分析リストでは、記事索引が簡単です。

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  • この記事を書いた人

高山仁

光学設計一筋40年を超えるの世界屈指のプロ光学設計者。 さてその実態は零細光学設計事務所を運営するやんごとなき窓際の翁にしてレンズレビュー・コンソーシアム会長。 当ブログへのリンクや引用はご自由にどうぞ。 更新情報はXへ投稿しております。

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