レンズ分析

【レンズ性能評価】NIKON Ai AF Nikkor 28mm f/2.8D-分析029

ニコン ニッコール 28mm F2.8の性能分析・レビュー記事です。

レンズの仕組みやその性能は一体どう違うのか、具体的な違いがほとんどよくわかりませんよね。

雑誌やネットで調べても似たような「口コミ程度のおススメ情報」そんな記事ばかりではないでしょうか?

当ブログでは、レンズの歴史やその時代背景を調べながら、特許情報や実写作例を元にレンズの設計性能を推定し、シミュレーションによりレンズ性能を技術的な観点から詳細に分析します。

一般的には見ることのできない光路図や収差などの光学特性を、プロレンズデザイナー高山仁が丁寧に紐解き、レンズの味や描写性能について、深く優しく解説します。

世界でこのブログでしか読む事のできない特殊情報をお楽しみください。

作例写真は準備中です。

レンズの概要

執筆時現在(2020年)のNIKKOR 28mm F2.8はすでに生産終了したようですが、まだ店頭在庫があるようで新品の購入も可能です。

焦点距離28mm自体が絶滅を危惧される不遇な焦点距離ですが、ニコンの28mm F2.8も後継機種が無く実質的に絶滅が確定しているレンズです。

まずはNIKON伝統の28mm F2.8レンズの系譜を以下に並べて見てみますと1960年代の初代NIKKORの28mmはF3.5でしたが、1974年のNew NIKKOR 28mmからF2.8の歴史が始まります。

  • New Nikkor 28mm F2.8 (1974)7群7枚
  • Ai Nikkor 28mm F2.8 (1977)7群7枚
  • Ai Nikkor 28mm F2.8S(1981)8群8枚
  • Ai AF Nikkor 28mm F2.8S(1991)5群5枚
  • Ai AF Nikkor 28mm F2.8D(1994)6群6枚

  カッコ内は発売年、隣は構成枚数です。

歴史が長いこともありますが、構成枚数の変化を見ると驚いたことに光学系も都度変更されているようです。

今回取り上げるのは最終製品となった1994年発売のAi AF Nikkor 28mm F2.8Dとなります。今後、全部分析し比較したいものです。

外観は同じシリーズのNIKKOR 35mm F2.0D50mm F1.8Dと同様でプラスチック感が強いものの何か80年代的なレトロを感じる良いデザインです。

私的回顧録

28mmの焦点距離は「両眼で見たときの自然な視野角に近い」との理由で、昔からコンパクトカメラにもよく採用され、50mm~28mmまでが標準レンズとしても扱われる事もありました。

カメラを趣味としていれば、何かの形で必ず1本所有しているレンズのひとつであったと思います。

また、レンズ沼への誘導レンズであったとも言え、「50mmで写真に入門し、28mmへ手を出すと、35mmも気になって…」と多くの者を沼へ誘った最初の一本であったとも思います。

時は流れズーム全盛の時代となると標準ズームのレンジ内に28mmが存在する事で単焦点としては人気が急落します。

また、広角側のレンズは手振れもあまり出ませんからFnoを明るくしてもありがたみが薄く、ボケなどの作画的な差も少ない事もあり、特徴が出しづらくついには絶滅を危惧される存在になりました。

私も28mmから沼へはまった者で、24mmはいまだに苦手意識があり、昨今の標準ズームの広角端の24mmを見る度に「28mmで良いのになぁ」と思う次第です。


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文献調査

少々古いレンズとは言え、最近まで販売されていたレンズですからニコン公式ホームページに情報も残っており特許を見つけるのは簡単でした、特開平6-300965です。

実施例2が見た目的に製品に近いようですからこちらを設計値として以下に再現を行います。

!注意事項!

以下の設計値などと称する値は適当な特許文献などからカンで選び再現した物で、実際の製品と一致するものではありません。当然、データ類は保証されるものでもなく、本データを使って発生したあらゆる事故や損害に対して私は責任を負いません。


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設計値の推測と分析

性能評価の内容について簡単にまとめた記事は以下のリンク先を参照ください。

 関連記事:光学性能評価光路図を図解

光路図

NIKON NIKKOR 28mm F2.8 光路図 断面図

上図がNIKKOR 28 F2.8D の光路図です。

6群6枚、強い凹レンズを被写体側に備えたいかにもなレトロタイプの広角系です。非球面レンズを非採用のため最も被写体側には凸レンズを置き、歪曲と像面湾曲を補正しています。

絞りのあたりにはぶ厚い凸レンズがありますが、この時代のレンズに良く見られる構成で、少ない構成枚数で球面収差を補正するためにガラスの厚みを利用しています。

レンズ枚数が増えたり、非球面レンズを採用する昨今のレンズではあまり見られれません。懐かしいレンズ形状です。

縦収差

球面収差像面湾曲歪曲収差のグラフ

NIKON NIKKOR 28mm F2.8 縦収差

球面収差 軸上色収差

球面収差は少々マイナス側へふくらみを持つフルコレクション型です。

広角レンズは光線の太さが細いので球面収差の発生量が小さくなります。さらにFnoも2.8と控えめですから、レンズ枚数が少なくてもこの程度までは補正が可能です。

軸上色収差は広角レンズほど基本的に小さくなるので、本レンズも気になるほどの量はありません。

像面湾曲

像面湾曲は、この少枚数で非球面レンズも採用していませんから、現代的なレンズに比較するとかなり盛大な量の収差が発生しています。

しかし、中間像高(12mm)までは十分な画質が得られそうです。

歪曲収差

歪曲収差は画面周辺部で2%を少し超えるレベルなので安価なズームレンズに比較すればよく補正されています。

倍率色収差

NIKON NIKKOR 28mm F2.8 倍率色収差

広角レンズは倍率色収差の補正が困難となりやすいわけですが、レンズ枚数も少ないため予想の通り厳しい量になっています。

横収差

左タンジェンシャル、右サジタル

NIKON NIKKOR 28mm F2.8 横収差

中間像高(12mm)までは美しいまとまりですが、画面周辺部はかなり味のある描写となりそうです。

g線(青)の倍率色収差が大きいぶん、ハロを強めて拡散を狙っているように見えます。


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スポットダイアグラム

NIKON NIKKOR 28mm F2.8 スポットダイアグラム

収差量は全体に大きいはずですが、中間像高まではスポットの散らばり感はまとまりがあり綺麗な印象です。

画面周辺部ではg線(青)の収差が大きいですが、うまく散らしているので実写では目立ちづらいでしょう。

MTF

開放絞りF2.8

NIKON NIKKOR 28mm F2.8 MTF F2.8

画面中心から中間部での山はしっかりと高く高解像であることが期待できます。

画面周辺部は山の頂点の低下もありますが、位置のずれも大きく平面の被写体には注意が必要かもしれません。

現代的なレンズには無い味でもありますが。

小絞りF4.0

NIKON NIKKOR 28mm F2.8 MTF F4.0

開放Fnoが2.8と暗めなこともありF4.0に絞っても極端な変化はありませんが中心から中間部は解像度が改善はするようです、しかし最周辺はあまり変化はなさそうです。

総評

作例の制作後に記載します。

 

当ブログでは現代的なレンズの例としてSIGMA Artシリーズをまとめて分析しています。

このNIKKOR 28mmに近い焦点距離としてはArtシリーズのSIGMA 28mm F1.4を分析しておりますのでご参照ください。

 関連記事:SIGMA 28mm F1.4


作例

NIKON NIKKOR 28mm F2.8の作例は準備中です。


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価格調査

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製品仕様表

製品仕様一覧表NIKON NIKKOR 28mm f2.8

画角74度
レンズ構成6群6枚
最小絞りF22
最短撮影距離0.25m
フィルタ径52mm
全長54mm
最大径65mm
重量205g

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