分析028 SIGMA 45mm F2.8 DG DN

SIGMA 45mm F2.8の性能分析・レビュー記事です。作例写真は準備中です。

レンズの概要

2019年末、ライカ、シグマ、パナソニックが提携し、共通マウントシステムを軸としたカメラ・レンズの販売が始められました。

この組織名称はLマウントアライアンスとされました。オールドレンズファンなら誰もが知る”Lマウント”の名に「勘違いのざわめき」が起こったのがそろそろ懐かしい思い出です。

この中でシグマは35mmフルサイズにしては非常にコンパクトな新型カメラfpを発売し、同時に専用標準レンズ45mm F2.8も発売しました。このレンズが今回の分析対象となります。

2010年代のSIGMAレンズと言えば、2012年35mm F1.4から始まったArtシリーズが代表格となっており、そのコンセプトは大口径・高性能・重厚なことを特徴としていましたが、本レンズは本体カメラに合わせてサイズをコンパクトにまとめています。

他、近年は廃止される事の多い絞りリングを復活させるなどオールドレンズファンも意識したような機構も採用しています。

しかし45mmとは謎の焦点距離設定ですし、Fnoも2.8と近年の単焦点としては少々暗い仕様ですが、どのような特徴が隠されているのでしょうか?

私的回顧録

まず45mmと言う焦点距離は何から来ているのでしょうか?少し考察してみます。

撮影システムの標準焦点距離の決め方のひとつに「撮像素子の対角線長さと焦点距離を合わせたものにする」との考え方があります。

その考えなら35mmフルサイズセンサの対角線長は”約42mm”ですからこれに合わせたとも見れますね。

ご存じのように一般にはフルサイズ用レンズの標準は50mmとされています。これには所説ありますが「35mmカメラの始祖たるライカが最初に採用したから」説が最有力でしょう。

ではどうしてライカは標準を50mmにしたのかは、残念ですが記録が残っていないらしいです。

ライカの標準は正確には焦点距離51.6mmとされており、レンジファインダーカメラの時代は各社これに合わせていたため、その名残で現代でも各社の50mmレンズの実際の焦点距離は51.6mmになっていると聞きます。

そうするとこのSIGMA45mmレンズとの焦点距離差は6.6mm(約7mm)となり、実用上は50mmレンズと十分に異なる画角差が得られるので「あえて差別化を図った」のかもしれません。

その他の見方としては、標準レンズは「ライカを始祖とした50mm派」と「眼の画界に近く自然な描写とされる35mm派」が対立しており、この抗争を止めるため約中間の焦点距離を標準にする「SIGMA提案するの粋な計らい」なのかもしれません。

初のミラーレス製品用なので撮像素子側に余裕ができ自由に設計してみたら一番バランスが良かっただけ、なのかもしれませんけどね…

文献調査

現代のレンズですから検索すれば瞬時にわかります。特開2019-211703です。

本文を参照しますと単群でフォーカシングする一般的な構成と複数群でフォーカシングするフローティング構成の2種が提案されています。

SIGMA 45 F2.8製品の公式HPにはフローティングに関する記述はありませんから単群でのフォーカシング構造の実施例1を設計値と見て以下に再現します。

!注意事項!

以下の設計値などと称する値は適当な特許文献などからカンで選び再現した物で、実際の製品と一致するものではありません。当然、データ類は保証されるものでもなく、本データを使って発生したあらゆる事故や損害に対して私は責任を負いません。

設計値の推測と分析

性能評価の内容について簡単にまとめた記事は以下のリンク先を参照ください。

 リンク:光学性能評価光路図を図解

光路図

SIGMA 45mm F2.8 断面図 光路図

上図がSIGMA 45 F2.8 の光路図です。

7群8枚構成、非球面レンズは2枚も採用されています。過去の分析記事でも紹介した通り、50mmレンズは一般的にガウスタイプと言われる構成が最も性能が良く小型で効率的になります。

このレンズを見てみると一見ガウスとはかけ離れたようにも見えますが、絞りの前後はガウスの名残らしききついカーブの凹面があります。被写体側の5枚のレンズはガウス構成の由来でしょう。撮像素子側に負の焦点距離のコンバーターを付けたような構成になっているわけです。

この撮像素子側へコンバータを配置した設計はミラーレス用特有の設計で、撮像素子側に自由な空間ができたための工夫であると想像できます。

縦収差

球面収差、像面湾曲、歪曲収差のグラフ

SIGMA 45mm F2.8 縦収差

球面収差 軸上色収差

球面収差は一般的なガウスレンズのようなマイナス側へ膨らむフルコレクション型とは逆向きになっています。公式ホームページの説明によると「ボケを重視」したとか「クラシカルなボケ描写を目指した」とあるので、故意に通常とは逆の収差残しを行っているようです。

これは実写での検証が大変楽しみですね。

軸上色収差は現代レンズらしくほぼ完全に抑制されています。

像面湾曲

グラフ上端の画面最周辺部での変動は大きめなものの中間部までは理想的に補正されています。

F2.8のこのレンズ場合、Fnoが暗めなため若干ボケ量が不足するので最周辺部の描写を甘くすることであえてボケを強調している可能性もあります。

歪曲収差

珍しいことですが、若干の糸巻き形状になるようです。普通のガウスタイプのレンズは若干の樽型になります。

これも何かの視覚効果を狙っているのか?又はミラーレスタイプ特融の現象で撮像素子側の強い負レンズ群が影響しているのかもしれませんね。もしくはただの深読みしすぎかもしれませんが…

倍率色収差

SIGMA 45mm F2.8 倍率色収差

こちらは現代レンズらしいきれいなまとまりです。

横収差

SIGMA 45mm F2.8 横収差

Fnoが暗めなこともありますが、きれいなグラフです。元々Fnoが暗いと右図のサジタル方向の収差は激減します。左図タンジェンシャル方向のグラフを見ても非球面レンズ2枚の効果で十分に補正されています。グラフ中心軸周りがきれいなので絞り込むとさらに解像性能が上がるのでしょう。

スポットダイアグラム

SIGMA 45mm F2.8 スポットダイアグラム

球面収差をわざと残しているのでスポットは若干大きめのようですが、策略なのでしょう。

過去に分析した事例では3次元ハイファイ設計で有名なNIKON NIKKOR 58mm F1.4に似た考えなのかもしれません。

MTF

開放絞りF2.8

SIGMA 45mm F2.8 MTF F2.8

球面収差を故意に残していますがさすがのバランスで開放からキレキレです。

小絞りF4.0

SIGMA 45mm F2.8 MTF F4.0

F2.8⇒F4.0なので1段絞っただけですがほぼ無収差レベルの高い解像度でしょう。

総評

作例の制作後に更新いたします。

作例

作例集は準備中です

他のシグマ製品で作例のある物はこちらのリンクにまとめてありますのでご参照ください。

 リンク:作例ギャラリーSIGMA

価格調査

最新の価格は以下のリンク先にてご確認ください。

リンク

製品仕様表

製品仕様一覧表 SIGMA 45mm F2.8 (Lマウント用)

画角51.3度
レンズ構成7群8枚
最小絞りF22
最短撮影距離0.24m
フィルタ径55mm
全長46.2mm
最大径64mm
重量215g

他の製品分析記事をお探しの方は以下の目次ページをご参照ください。

 リンク:レンズ分析目次

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