分析006 SIGMA Art 35mm F1.4 DG HSM

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シグマ Art 35 F1.4の性能分析・レビュー記事です。

特許情報や実写の作例から光学系の設計値を推測し、シミュレーションによりレンズ性能を分析します。

世界でこのブログでしか読む事のできない特殊情報をお楽しみください。

作例写真をお探しの方は、記事末尾にありますのでこのリンクで移動されると便利です。

レンズの概要

2012年にSIGMAはこれまでの製品をArt/Sports/Contemporaryの3つに再分類することを発表しました。

その中でもArtシリーズは、超高性能を前提に金属を多用した高剛性かつ、端正なデザインのレンズラインナップとなっております。

本項で紹介するSIGMA Art 35mm F1.4は、このArtシリーズの第1弾として発売され、執筆現在(2020)でも販売されているすでに銘玉とも言える部類のレンズです。

さて、Artシリーズ第1弾としてどうして35mmとしたのでしょうか。

おそらく第1弾レンズを焦点距離を50mmにするか35mmかで、シグマ内でも大激論があった末なのだろうと推測します。

※注:勝手な推測です。

私が推測するに、このレンズが発売された頃の一般カメラユーザーにはまだフルサイズは高額で手が出し難く、フォーサーズやAPS-Cサイズなどの中型サイズのセンサーが主流でした。

フルサイズの焦点距離35mmのレンズはAPSサイズのカメラに装着すると略50mm相当(=標準画角)で使えるわけです。

よって、APS/フルサイズのどちらでも標準的な画角で使えると言う理由から35mmの焦点距離が選ばれたのではないかと思います。

私自身もAPSサイズのカメラを使っていた時期にはAPS専用レンズは使った事がなく、よくフルサイズ用の35mmを付けていました。

フィルム時代のレンズを転用できたからと言う逆の理由でしたが…

標準レンズとは何ミリか?と言う激論が延々と続いていますが、デジタル一眼レフ黎明期の標準レンズは35mmであるというのが私の持論です。

なお、このレンズは比較的新しいのでこちらに発表資料も残っています。

SIGMA Art 35mm F1.4 DG HSM

私的回顧録

SIGMAが唐突に開始したArtやSportsなどのレンズ分類について、当初は面食らいました。

ArtとSportsに分類するのならわかるのですがContemporaryって何?24-105F4がArtってどうよ?などなどの疑問が噴出。

現在の視点で見ると結果としては「高コスパのレンズ=SIGMA Art単焦点」という図式が確立しましたのでSIGMAとしては成功なのでしょう。

一方で、これまでの良識を超えた大型の製品を登場させたことで、開発競争の内容が超高性能化の方向へ変化した一因となったと思います。

この記事から連続でSIGMAのArt単焦点レンズの全製品(2020年現在)の設計値を分析します。

現代的なレンズの設計値の基準作り(ベンチマーク)をやってみようという考えです。

SIGMAのArt単焦点レンズは「性能重視、大きさ度外視」という非常にわかりやすいコンセプトで設計されておりベンチマークとして扱いやすいというのが理由です。

文献調査

さて特許文献を調べると現代の製品なので関連すると思われる特許が簡単に見つかりました。断面図の雰囲気から特開2014-48488実施例3が製品に見た目で近いので設計値と仮定し、設計データを以下に再現してみます。

!注意事項!

以下の設計値などと称する値は適当な特許文献などからカンで選び再現した物で、実際の製品と一致するものではありません。当然、データ類は保証されるものでもなく、本データを使って発生したあらゆる事故や損害に対して私は責任を負いません。

設計値の推測と分析

性能評価の内容について簡単にまとめた記事は以下のリンク先を参照ください。

 関連記事:光学性能評価光路図を図解

光路図

SIGMA Art 35mm F1.4 DG HSM 断面図 光路図

上図がSIGMA Art 35 F1.4の光路図です。

11群13枚、非球面レンズは被写体側の先頭レンズと撮像素子側の最終レンズに配置し、色収差を抑制するための特殊低分散材料を多数配置しています。

発売時点の記憶ではこの製品より以前の物と比較するとだいぶ全長が長くなり、重くなった感じがしました。

F1.4と明るく、外装も金属を多用していますから当然だったのでしょう。

現在では各社追随するように高性能大型レンズを出しており、SIGMAでも多数の大口径大型レンズを続々と発売しているため、現在の視点では「F1.4にしては小振りなサイズ感」となっています。ほんと慣れとは恐ろしいものですね。

縦収差

球面収差像面湾曲歪曲収差のグラフ

SIGMA Art 35mm F1.4 DG HSM 縦収差

球面収差 軸上色収差

球面収差は解説する意味も無いほどに、略直線の特性図です。

では逆に収差の大きいレンズを過去の分析データから挙げますとZuiko50mmレンズとかNIKKOR 50mm F1.4Dあたりとなります。

これらを参照されますと収差の少なさがおわかりいただけるかと思います。

どちらのレンズもSIGMA Artとは発売年が30年以上も開いてますから収差が大きいのも当然ではあります。

像面湾曲

 像面湾曲は若干の非点隔差は残りますが十分小さいと思います。

歪曲収差

歪曲収差は、ほぼゼロです。

倍率色収差

SIGMA Art 35mm F1.4 DG HSM 倍率色収差

倍率色収差も十分に小さいようです。

横収差

タンジェンシャル方向、サジタル方向

SIGMA Art 35mm F1.4 DG HSM 横収差

タンジェンシャル方向では中間像高12mmあたりで少々コマが残るのが気になります。

サジタルコマフレアはわずかに残りますが激減していますから星空撮影などでなければ実写で気になるレベルでは無いでしょう。

スポットダイアグラム

スポットスケール±0.3(標準)

SIGMA Art 35mm F1.4 DG HSM sポットダイアグラム

Fno1.4という仕様を考慮すれば十分小さくまとめられています。

スポットスケール±0.1(詳細)

SIGMA Art 35mm F1.4 DG HSM sポットダイアグラム

MTF

開放絞りF1.4

SIGMA Art 35mm F1.4 DG HSM MTF F1.4

山は高く、周辺部の頂点一致度も高いです。絞って収差を補正する必要ないレベルです。

小絞りF4.0

SIGMA Art 35mm F1.4 DG HSM MTF F4.0

絞ると中心部はほぼ完全に収差が無くなるようです。周辺部で像面湾曲が変動するようですが、山は高くなっているので解像力が低下するような見た目にはならないでしょう。

総評

予想してはおりましたが、それを上回るほどに高性能にまとまっています。

収差図は略直線状でただひたすらに「ZERO」の世界を目指して設計された物だとわかります。

このレベルの性能になるとすでに人の目を大きく超えていますので、ただ開放で撮影するだけで美しい写真が撮影できます。

発売当初は重いレンズだと思っていたのですが、慣れとは恐ろしいもので、この後に続くArtレンズをシリーズを見ているうちに「小さく高性能にまとまっているな」と、最近とらえ方が変わってきました…本当に恐ろしい。

類似仕様のレンズ分析記事はこちらです。

 関連記事:SONY FE 35mm F1.4 GM
 関連記事:SONY Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
 関連記事:MINOLTA AF 35mm F1.4

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 関連記事:2022年賀状印刷のススメ



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作例・サンプルギャラリー

SIGMA Art 35 1.4の作例集となります。以下のサムネイル画像をクリックしますと拡大表示可能です。

SIGMA Art 35mm F1.4 Sample
SIGMA Art 35mm F1.4 Sample
SIGMA Art 35mm F1.4 Sample
SIGMA Art 35mm F1.4 Sample

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 関連記事:SILKYPIX10のおすすめポイントをたくさんの作例で紹介

 

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価格調査

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製品仕様表

SIGMA Art 35 1.4製品仕様一覧表(Lマウント用)

画角63.4度
レンズ構成11群13枚
最小絞りF16
最短撮影距離0.30m
フィルタ径67mm
全長118mm
最大径77mm
重量755g
発売日2012年11月30日

その他のレンズ分析記事をお探しの方は以下の目次ページをご参照ください。

 関連記事:レンズ分析リスト

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