富士フィルム フジノンXF 56mm F1.2の性能分析・レビュー記事です。
さて、写真やカメラが趣味の方でも、レンズの仕組みや性能の違いがよくわからないと感じませんか?
当ブログでは、光学エンジニアでいわゆるレンズのプロである私(高山仁)が、レンズの時代背景や特許情報から設計値を推定し、知られざる真の光学性能をやさしく紹介します。
当記事をお読みいただくと、あなたの人生におけるパートナーとなるような、究極の1本が見つかるかもしれません。
作例写真は準備中です。
レンズの概要
FujiFilmのレンズ交換式デジタルカメラ「Xシリーズ」は、2012年発売のFUJIFILM X-Pro1から始まりました。
このカメラシステムの特筆すべき点は「フィルムシミュレーション」でしょう。
ワタクシも含むカメじぃ達の心を鷲づかみにする特殊機能により、低迷するカメラ市場においてもじわりじわりと勢力を拡大する恐ろしいカメラシステムです。
さて、今回紹介するXF 56 1.2は、2014年の発売ですからシリーズの早期から存在する大口径中望遠レンズです。
FujiのXシリーズの撮像センサーサイズは、フルサイズより一回り小さいAPS-Cサイズであるため、焦点距離は「換算」して捉える必要があります。
XF 56mmの焦点距離をフルサイズに換算した場合、約85mm相当となるのでいわゆるポートレートレンズの画角となります。
なお、このレンズは「無印」と「APO」の2種のモデルが存在しますが、APOはアポダイゼーションフィルタを内蔵したモデルで、ボケ像がより滑らかになります。
私的回顧録
まずFujiFilmと言えばフィルムの話をびっしりと書き尽くしたいところですが、今回はぐっとこらえます。
当記事は、当ブログで初のAPSフォーマットのレンズの分析となりますので、今回はセンサーサイズの違いと収差の関係について説明します。
まず基本的な光学系(レンズ)の特性として、レンズ全体を縮小すると収差も縮小される(少なくなる)比例関係が成り立ちます。
フルサイズ撮像素子の対角線長さは約21mmで、APS-Cサイズ撮像素子は対角が約14mmですから、単純計算ではフルサイズレンズを約66%に縮小すればAPS-Cセンサ用のレンズとして使えるサイズになる関係です。
66%になると言われてもあまり大きな違いに感じませんが、縦横が66%減すると重量は約1/3以下になる計算ですから甚大な差があります。(あくまで単純計算です)
下図は一般的なAPS-Cサイズとフルサイズの撮像素子サイズを比較したものです。(各社数値は微小に異なります)

さて、ここからが本題です。
「APS用レンズをフルサイズ用レンズと性能を比較するにはどうするか?」と言う問題がありますが、当ブログでは収差図等の「スケールを約66%にする」ことでフルサイズの分析結果とグラフを並べて比較できるようにすることにしました。
感覚的には、フルサイズでもAPS-Cでも同じ鑑賞サイズ(印刷サイズ)にして並べたと想定してレンズを比較することにします。
しかし、注意事項があります。この比較方法は収差の比較としては妥当ですが、例えば「フルサイズからA3プリントした場合」と、「APSからA3プリントをした場合」は、引き延ばし倍率が違いますから引き延ばしによる劣化分で撮像素子の小さいAPSが収差量以上に不利となります。
また、撮像素子のサイズが小さい方がノイズ等が大きくなる問題もありますので真の比較はなかなか難しいとご了承ください。
センサーサイズとレンズサイズの関係性についてまとめた記事もご参照ください。
関連記事:センサーサイズとレンズサイズ
さて、注意事項は終わりまして分析の方へ参りましょう。
文献調査
XFレンズは現代のレンズですから特許を探せばちょちょいと出てきます。発見した特許文献の特開2015-141384の実施例3を製品化したと仮定し、設計データを以下に再現してみます。
また、本レンズと同時にいくつかのXFレンズを発見しましたので折を見て順次分析したいと思います。
関連記事:特許の原文を参照する方法
!注意事項!
以下の設計値などと称する値は適当な特許文献などからカンで選び再現した物で、実際の製品と一致するものではありません。当然、データ類は保証されるものでもなく、本データを使って発生したあらゆる事故や損害に対して私は責任を負いません。
レンズレビュー公認レンズクリーナー:公認の秘密はこちら
設計値の推測と分析
性能評価の内容などについて簡単にまとめた記事は以下のリンク先を参照ください。
光路図

上図がFuji XF 56mm F1.2の光路図になります。

