PENTAX FA 28mm F2.8 AL と SOFTの比較性能分析・レビュー記事です。
さて、写真やカメラが趣味の方でも、レンズの仕組みや性能の違いがよくわからないと感じませんか?
当ブログでは、光学エンジニアでいわゆるレンズのプロである私(高山仁)が、レンズの時代背景や特許情報から設計値を推定し、知られざる真の光学性能をやさしく紹介します。
当記事をお読みいただくと、あなたの人生におけるパートナーとなるような、究極の1本が見つかるかもしれません。
作例写真は準備中です。
レンズの概要
PENTAX FA 28mm F2.8 ALは1991年の発売で、製品の名称に付けられたALはAspherical LENSの略称で「非球面レンズ」を指しています。
小型軽量で少ないレンズ構成でありながら、なかなかの高性能で隠れた「逸品レンズ」として一部界隈で有名です。
比較するPENTAX FA 28mm F2.8 SOFTは1997年に発売されたもので、球面収差を過剰に発生させて、独特のボケ味を楽しむことができる「珍品レンズ」です。
実はこの2本、レンズの内部構成を図示した構成図を見るとまったく同じに見えます。
さて、この見た目にまったく同じ2本の不思議なレンズ、その謎を解明するのが本記事の目的ともなっております。
私的回顧録
手元の文献「CAPA特別編集 交換レンズ1999」を開くとこの2本とも評価記事が残されています。
文献から故:西平英生先生が遺されたコメントを引用させていただくと
PENTAX FA 28mm F2.8 ALの方は
「ズームレンズの性能が一段上がった時代に単焦点レンズを使う意義があるのか?」と辛辣なコメントから始まるも「中心部の解像度は全レンズ中で最高、平均値も高い」と性能については絶賛されています。
一方のPENTAX FA 28mm F2.8 SOFTの方は
「オートフォーカスが使用できる広角ソフトレンズとしては唯一の存在」と評していますが「何かを撮影するかが問題だ」とのコメント。さすがの西平先生も評価が難しかったようですね…
ボケを付加したり可変させるレンズを「ソフトレンズ」とも言いますが、ボケを変化させるにはいくつかの手法があります。
過去に当ブログで分析したNIKON DC NIKKOR DC 135mm F2は、リング操作でレンズの間隔を変え球面収差を自在に変えることでボケ味を変化させる恐るべきレンズでした。
また、MINOLTA STF 135mm F2.8[T4.5]はアポダイゼーション素子を搭載することで主被写体の前後のボケを同時に美しく仕上げる希少なレンズです。
さて、当記事のPENTAX FA 28mmではどのような手法でボケを付与しているのか詳細を確認してみましょう。
文献調査
製品の発売年から逆算し当時の特許文献を調査したところPENTAX FA 28mm F2.8 ALと思わしきレンズが特開平4-261511に記載され、SOFTの方は「広角ソフトフォーカスレンズ」のタイトでの特開平9-179023に球面収差を過剰に残したレンズが記載されています。
それぞれの実施例1は共通するレンズのようですから、これを製品化したと仮定し、設計データを以下に再現してみます。
関連記事:特許の原文を参照する方法
!注意事項!
以下の設計値などと称する値は適当な特許文献などからカンで選び再現した物で、実際の製品と一致するものではありません。当然、データ類は保証されるものでもなく、本データを使って発生したあらゆる事故や損害に対して私は責任を負いません。
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設計値の推測と分析
性能評価の内容などについて簡単にまとめた記事は以下のリンク先を参照ください。
光路図

上図左はPENTAX FA 28mm F2.8 AL(青字)で、右はSOFT(赤字)の光路図になります。

