PENTAX中望遠のレンズ PENTAX M 120mm F2.8の性能分析・レビュー記事です。
さて、写真やカメラが趣味の方でも、レンズの仕組みや性能の違いがよくわからないと感じませんか?
当ブログでは、光学エンジニアでいわゆるレンズのプロである私(高山仁)が、レンズの時代背景や特許情報から設計値を推定し、知られざる真の光学性能をやさしく紹介します。
当記事をお読みいただくと、あなたの人生におけるパートナーとなるような、究極の1本が見つかるかもしれません。
作例写真は準備中です。
レンズの概要
フルサイズ用(35mm版)焦点距離120mmの単焦点レンズはとても珍しい仕様で、私もPENTAXの120mm F2.8しか知りません。
まずはPENTAXの120mm F2.8の歴史を確認してみましょう。
- smc Takumar 120mm F2.8 4群5枚 (1972)
- smc PENTAX 120mm F2.8 4群5枚 (1975)
- smc PENTAX M 120mm F2.8 5群5枚 (1977)当記事
PENTAXの焦点距離120mmレンズは、1972年発売の「Takumar 120mm」から始まりました。
なお、Takumarとは1950年代からPENTAX(当時:旭光学工業)がレンズのブランド名としていた名前です。
Takumarはレンズマウント部がスクリュー(ネジ式)でしたが、初代の発売からすぐの1975年に現代にも続くバヨネット式マウントであるKマウントへ移行を始め、同時にレンズ名もPENTAXへ移行します。
このため、初代レンズの光学系を流用しつつ、Kマウントへ変更されたのが二代目である「PENTAX 120mm」になります。
その後、PENTAXは小型化を目的にリニューアルしたレンズシリーズ「M」を展開、その一環として1977年に光学系も一新した「PENTAX M 120mm」が登場します。
そして、残念ながら120mmの系統のレンズは、現代では途絶えてしまっているようですね。
ご存じのように現代一般的なフルサイズ(35mm版)の中望遠レンズの焦点距離は85mm、100mm、135mmあたりが定番で、120mmはあまり見かけない焦点距離仕様となっています。
しかし、かつてのTakumar中望遠域の焦点距離を確認すると85mm、105mm、120mm、135mm、150mmがラインナップされておりました。
これは当時、ズームレンズがまだ未発達な時代であったため単焦点レンズを隙間なくそろえることで、システムを拡充する思想のためと推測されます。
1980年代の後半にはオートフォーカス化とともにズームレンズが発展し、大口径中望遠ズームが実用化されると特徴の少ない中間的な焦点距離のレンズは消えていきました。
今回の記事では、この希少性の高い焦点距離仕様であるPENTAX M 120mm F2.8を分析してまいりましょう。
文献調査
日本の特許情報はJ-PlatPatを代表としていくつかのサイトで参照できますが1980年以前のデータはあまり電子化が進んでいないようで、今回のPENTAX 120mm F2.8 は1970年代なので見つからないかと思っておりました。
しかし、米国ではもっと古い特許も電子化されておりまして、キーワード検索などができないので探しづらいのですがUS4134645を発見しました。
文献の内容を確認するといくつか仕様の異なるレンズが記載されているものの、実施例1が仕様的に120mm F2.8相当とわかりましたので、これを製品化したと仮定し、設計データを以下に再現してみます。
!注意事項!
以下の設計値などと称する値は適当な特許文献などからカンで選び再現した物で、実際の製品と一致するものではありません。当然、データ類は保証されるものでもなく、本データを使って発生したあらゆる事故や損害に対して私は責任を負いません。
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設計値の推測と分析
性能評価の内容などについて簡単にまとめた記事は以下のリンク先を参照ください。
光路図

上図がsmc PENTAX M 120mm F2.8の光路図になります。
