シグマ 24-70mm F2.8 DG OS HSM ARTの性能分析・レビュー記事です。
さて、写真やカメラが趣味の方でも、レンズの仕組みや性能の違いがよくわからないと感じませんか?
当ブログでは、光学エンジニアでいわゆるレンズのプロである私(高山仁)が、レンズの時代背景や特許情報から設計値を推定し、知られざる真の光学性能をやさしく紹介します。
当記事をお読みいただくと、あなたの人生におけるパートナーとなるような、究極の1本が見つかるかもしれません。
作例写真は準備中です。
レンズの概要
当記事で紹介するSIGMA 24-70F2.8 DG OS HSMは、ミラー有り一眼レフ用の大口径標準ズームです。
本レンズはSIGMAのレンズシリーズの中でARTラインに属しており、高性能でありながらも重厚な金属外装の高い質感にもこだわるSIGMAの最上位レンズシリーズの1本です。
まずはSIGMA F2.8通し仕様のフルサイズ用レンズの系譜を確認してみましょう。
- 24-60mm F2.8 EX DG (2004)
- 28-70mm F2.8 EX DG (2004)
- 24-70mm F2.8 IF EX DG HSM (2009)
- 24-70mm F2.8 DG OS HSM ART (2017) ★当記事
- 24-70mm F2.8 DG DN ART (2019)
- 28-70mm F2.8 DG DN Contemporary (2021)
初代F2.8通しの標準ズームレンズは24-60mm、28-70mmの2本で同時期に発売された不思議な関係性のレンズです。
本レンズはF2.8仕様の4代目、焦点距離は24-70mmの王道標準仕様ながら手振れ補正(OS)を搭載を実現しており、しかもARTシリーズの標準ですから、高性能も折り紙付きと言ったところでしょう。
私的回顧録
『不遇のレンズ』
本レンズは2017年の発売ですが、少々この時期について振り返ってみます。
まず、この年に発売されたカメラは、NIKONならD850、SONYではα9などが代表でしょうか。
当時コンデジはだいぶ売り上げを落とし新規機種数も減り、一眼レフの販売台数も峠を越え衰退の影があきらかとなってきた時代です。
その渦中において、SONYのミラーレス一眼だけは次第にシェアを拡大し続け、ミラーレス派と一眼レフ派の抗争は激しさを増すばかりでした。
このような時代背景のなか、2017年頃に発売されたレンズ達は、なんとも「不遇」な製品です。
一般に一眼レフの交換レンズは、10年以上に渡り販売される製品も多く、20年以上も販売の続くレンズも珍しいわけではありません。
ところが、当記事のレンズを含む2017年発売のレンズ達は短命であることを最初から決めつけられていたのです。
なぜなら、翌年2018年にNIKON Zシリーズなどが発売され、一眼レフカメラの本流が今後ミラーレスとなることが決定的となり、ミラーレス専用レンズへの置き換えが進むことは確実となったためです。
※注:PENTAXを除く
そして、本レンズもわずか2年後の2019年にはミラーレス版の後継機24-70mm F2.8 DG DN ARTが発売される歴史を辿ります。
さらにその先でも、世界的なカメラの販売低迷とコロナウィルスの問題、そして世界的な半導体不足など二重苦三重苦の時代を象徴するまさに不遇としか言えないレンズ達となってしまったのです。
実は、レンズを設計し製品が誕生する際に、その対価として設計者の寿命が鉄のヤスリのような物でゴリゴリと削られるのですが、この不遇さ加減には担当した設計者も浮かばれませんねぇ…
この苦難をねぎらうためにも性能分析を行ってまいりましょう。
文献調査
特許文献を調査しますと関連文献は特開2017-156719であることは明白です。
本文に示される構成図を見ますと実施例1が製品に酷似するようですから、これを製品化したと仮定し、設計データを以下に再現してみます。
関連記事:特許の原文を参照する方法
!注意事項!
以下の設計値などと称する値は適当な特許文献などからカンで選び再現した物で、実際の製品と一致するものではありません。当然、データ類は保証されるものでもなく、本データを使って発生したあらゆる事故や損害に対して私は責任を負いません。
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設計値の推測と分析
性能評価の内容などについて簡単にまとめた記事は以下のリンク先を参照ください。
光路図

上図がSIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSMの光路図になります。

