この記事では、富士フィルム プレミアム コンパクトカメラ X100シリーズの広角レンズ 23mm F2.0の歴史と設計性能を徹底分析します。
さて、写真やカメラが趣味の方でも、レンズの仕組みや性能の違いがよくわからないと感じませんか?
当ブログでは、光学エンジニアでいわゆるレンズのプロである私(高山仁)が、レンズの時代背景や特許情報から設計値を推定し、知られざる真の光学性能をやさしく紹介します。
当記事をお読みいただくと、あなたの人生におけるパートナーとなるような、究極の1本が見つかるかもしれません。
レンズの概要
FujiFilm X100は、2011年に最初のモデルが発売されて以降、何度もモデルチェンジを繰り返し、2020年代でも品薄になるほど人気の製品です。
このX100は、レンズが単焦点の固定式でいわゆるコンパクトカメラのジャンルに位置する製品です。
しかし、APS-Cサイズの大型な撮像素子や、光学式と電子式のファインダーを瞬時に切り替える「アドバンスト・ハイブリッドビューファインダー」の搭載など、一般的なコンデジとは格の違うプレミアムな製品となっています。
<X100シリーズの基本的な特徴>
- 撮像素子:APS-C
- レンズ:焦点距離23mm F2.0 (フルサイズ換算35mm)
- アドバンスト・ハイブリッドビューファインダー
- 小型で秀逸なデザイン
- フィルムシミュレーション機能
さて、歴代X100シリーズは、撮像素子サイズやレンズの仕様は基本的に同じですが、正確にはレンズの設計が異なり第1世代と第2世代の2種類のレンズが存在します。
各モデルの発売年次と搭載レンズを見てみましょう。
<第1世代レンズ>
- 2011年 X100
- 2013年 X100S
- 2014年 X100T
- 2017年 X100F
<第2世代レンズ>
- 2020年 X100V
- 2024年 X100VI
初代が発売された2011年からX100は定期的にリニューアルされていますが、初代からおよそ10周年を迎えようとする2020年X100Vの発売時に第2世代のレンズへ更新されています。
X100シリーズに搭載されるレンズの仕様は伝統的に焦点距離23mm、FnoはF2.0で第1世代も第2世代も同じです。。
X100は撮像素子がAPS-Cサイズなので、フルサイズに換算すると焦点距離35mm相当の画角になります。
フルサイズとAPS-Cの撮像素子は下図のようなサイズ差になっています。

換算すると焦点距離35mm F2.0のレンズは、フィルム時代から定番の伝統ある仕様で、当ブログでもNIKON往年の銘玉NIKKOR 35mm F2.0Dを分析したこともありますし、SIGMAが現代へ復活させた超高解像なSIGMA 35mm DG DNを分析しておりますので、合わせてご覧ください。
文献調査
コンパクトカメラの光学系は、構成図が開示されない物が多いのですが、X100シリーズはカタログなどで構成図を確認することができます。
FujiFilmの自身の現れとも言えるのでしょうか。
公開された構成図を元に調査しますと、第1世代は特開2012-063676、第2世代は特開2020-177110であることがわかりました。
それぞれの文献から実施例1を製品化したと仮定し、設計データを以下に再現してみます。
関連記事:特許の原文を参照する方法
!注意事項!
以下の設計値などと称する値は適当な特許文献などからカンで選び再現した物で、実際の製品と一致するものではありません。当然、データ類は保証されるものでもなく、本データを使って発生したあらゆる事故や損害に対して私は責任を負いません。
レンズレビュー公認レンズクリーナー:公認の秘密はこちら
設計値の推測と分析
性能評価の内容などについて簡単にまとめた記事は以下のリンク先を参照ください。
光路図
左側が第1世代(青字)、右側が第2世代(赤字)

上図がFujiFilm X100 23mm F2の光路図になります。

