分析009 SIGMA Art 85mm F1.4 DG HSM

SIGMA 85 F1.4の性能分析・レビュー記事です。作例写真をお探しの方は、記事末尾にありますのでこのリンクで移動されると便利です。

レンズの概要

この85 1.4はSigmaのArtシリーズ開始からだいぶ本数も出たところの製品となりますのでコンセプトには完全にブレが無くなり、純粋に性能だけを追求するという狙いが具現化されているようです。

85mmならまずはポートレート用レンズと思いますが、メーカーのHPにも「究極のポートレートレンズ」と書き切っています。

このレンズは新しいのでこちらに情報があります。

SIGMA Art 85mm F1.4 DG HSM

個人的エピソード

ポートレートは孫ムスメしか撮らないので公開できる写真が少ないので作例ページをどうしたものかと悩んでいます…

今回も「SIGMA 35mm F1.4 Art」の記事から引き続きArtシリーズの単焦点を分析します。

これは現代的な光学設計値の基準作り(ベンチマーク)を行うための取り組みの一環になります。

SIGMAのArt単焦点レンズは「性能重視、大きさ度外視」という非常にわかりやすいコンセプトで設計されておりベンチマークの基準として扱いやすいというのが理由です。

ここ連続でArtシリーズの設計値ばかり見ておりますので感覚がすっかりおかしくなりました。

解像力だけが写真レンズの魅力では無いとは思っていますが、解像力が高いとモニターで等倍鑑賞すると「気持ち良い」のです。重い症状の病気ですね…

文献調査

さて特許文献を調べると現代の製品なので関連すると思われる特許が簡単に見つかりました。断面図の雰囲気から特開2018-5099実施例4が製品に見た目で近いので設計値と仮定し、設計データを以下に再現してみます。

!注意事項!

以下の設計値などと称する値は適当な特許文献などからカンで選び再現した物で、実際の製品と一致するものではありません。当然、データ類は保証されるものでもなく、本データを使って発生したあらゆる事故や損害に対して私は責任を負いません。

設計値の推測と分析

性能評価の内容について簡単にまとめた記事は以下のリンク先を参照ください。

 リンク:光学性能評価光路図を図解

光路図

SIGMA Art 85mm F1.4 DG HSM 断面図 光路図

上図がSIGMA Art 85 F1.4の光路図です。

12群14枚、最も撮像素子に近い最終レンズに非球面を配置し球面収差と像面湾曲を同時に補正し、色収差を良好に補正するための特殊低分散材料も2枚配置しています。

昔の半導体露光装置の光学系のような恐ろしい見た目です…

被写体側のレンズ群もダブルガウス的な形状をしており、撮像素子側の絞り備える後側レンズ群もダブルガウス的な形状をしています。

前後の2組のダブルガウス構造と言うことはダブルダブルガウス?クワッドガウス?と呼ぶべきなのでしょうか?

縦収差

球面収差、像面湾曲、歪曲収差のグラフ

SIGMA Art 85mm F1.4 DG HSM 縦収差

球面収差 軸上色収差

解説する意味も無いほどに、d線(黄色)の球面収差は略直線の特性図です。

わずかにF線(水色)の軸上色収差が大きく感じますが、これは私の再現データに問題があるのかもしれません。

光学系の特許に記載される実施例データは材料名が開示されていないので屈折率と分散の情報から推定していますが、ガラスメーカーごとに微妙に特性が異なるので真の材料はわかりませんし、一般公開されていない特注材料などを使っていることもありえます。

特注材料まで使用されると完全に設計値を再現するのは難しくなります。

データの再現性が問題になったとき、色収差が最もずれやすくなります。

像面湾曲

サジタルとタンジェンシャル方向のズレ(=アス)が若干のありますが、ほぼ完全に収差が抑えられているレベルです。

歪曲収差

焦点距離的に歪曲収差は少ない仕様ですからほぼゼロです。

倍率色収差

SIGMA Art 85mm F1.4 DG HSM 倍率色収差

十分に補正されています。

横収差

SIGMA Art 85mm F1.4 DG HSM 横収差

サジタル方向のハロはFno1.4の仕様を考えれば極めて小さく抑えられています。タンジェンシャル方向ではわずかにハロ・コマ感はありますが、十分に補正されているようです

スポットダイアグラム

SIGMA Art 85mm F1.4 DG HSM スポットダイアグラム

F1.4の仕様からすればキレイにまとまっていますが、画面の周辺部ではさすがにサジタルフレアがわずかにありますので、夜景や星を撮影するなら1段程度絞る方が良いでしょう

MTF

開放絞りF1.4

SIGMA Art 85mm F1.4 DG HSM MTF F1.4

開放Fno1.4の状態で画面全域で十分高い特性です。

さすがに像高21mmあたりでは像面湾曲がありますが、ポートレート用途なら関係無い領域です。

小絞りF4.0

SIGMA Art 85mm F1.4 DG HSM MTF F4.0

Fno4.0まで絞れば無収差と感じられる性能になります。

総評

かなりの重量ですが、そのデメリットを感じさせない超高性能レンズです。実写した画像を見ると開放Fnoから気持ち良い高い解像感に感心します。

さすが「究極の」と自社サイトで書き切る性能、収差を楽しむこのブログとしては良すぎて書くことが無いのが辛いところです。

作例

SIGMA 85 1.4の作例集となります。以下のサムネイル画像をクリックしますと拡大表示可能です。

SIGMA製品で作例のある物はこちらのリンクにまとめてありますのでご参照ください。

 リンク:作例ギャラリーSIGMA

価格調査

最新の価格は以下のリンク先にてご確認ください。

製品仕様表

SIGMA Art 85 1.4製品仕様一覧表(Lマウント用)

画角28.6度
レンズ構成12群14枚
最小絞りF16
最短撮影距離0.85m
フィルタ径86mm
全長150.2mm
最大径94.7mm
重量1215g

他の製品分析記事をお探しの方は以下の目次ページをご参照ください。

リンク:レンズ分析目次

SIGMA85F1.4
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