ニコンの一眼レフカメラFマウントシステムより、超望遠ズームAF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6Gの性能分析・レビュー記事です。
さて、写真やカメラが趣味の方でも、レンズの仕組みや性能の違いがよくわからないと感じませんか?
当ブログでは、光学エンジニアでいわゆるレンズのプロである私(高山仁)が、レンズの時代背景や特許情報から設計値を推定し、知られざる真の光学性能をやさしく紹介します。
当記事をお読みいただくと、あなたの人生におけるパートナーとなるような、究極の1本が見つかるかもしれません。
作例写真は準備中です。
レンズの概要
AF-S Nikkor 80-400mm f/4.5-5.6Gは、NIKONの一眼レフ用Fマウントレンズとしては後期に発売された超望遠ズームレンズです。
まずは、NIKONにおける望遠端(長焦点距離側)が300mmを越える望遠ズームの系譜を確認してみましょう。
下のリストは、Fマウント創成期からZマウント100-400mm F4.5-5.6に至るまでの代表的な望遠ズームレンズです。
- Zoom NIKKOR Auto 50-300mm F4.5 (1967)13群20枚
- Zoom NIKKOR Auto 200-600mm F9.5 (1971)12群19枚
- Ai Zoom NIKKOR ED 50-300mm F4.5S (1977)11群15枚(前回の記事)
- Ai Zoom NIKKOR ED 200-400mm F4S (1984)10群15枚
- Ai AF Zoom NIKKOR 75-300mm F4.5-5.6S (1989)11群13枚
- Ai AF VR Zoom NIKKOR ED 80-400mm F4.5-5.6D(2000) 11群17枚【初代】
- AF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6G ED VR (2013)12群20枚【二代目】当記事
- NIKKOR Z 100-400mm F4.5-5.6 VR S(2022)20群25枚
前回の記事では、Fマウント初期の1970年代の望遠ズームとしてZOOM NIKKOR ED 50-300を分析し、懐かしい性能を確認しました。
一転しまして、今回はFマウント後期となる2013年に発売されたAF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6Gを分析します。
※NIKONがフルサイズミラーレスZシリーズを発売したのは2018年。
焦点距離80-400mm仕様のズームレンズは、2000年に初代が発売されおり、当記事で分析するのは光学系が一新された二代目にあたります。
このレンズは、デジタル一眼レフカメラが絶頂の時期に発売されたこともあり大変な人気レンズとなり、多くの方が使用されたことでしょうし、あるいは購入を夢見たレンズではなかったでしょうか?
ところで、話は少し変わりますが、一眼レフカメラは、望遠レンズを快適に使うために発展してきた、そんな側面があります。
まず、ペンタプリズムやクイックリターンミラーにて正確なフレーミングとピント確認を実現し、オートフォーカスでは高速なピント合わせ、さらに手振れ補正のような革新的技術の搭載など、その多くの技術が望遠レンズで多大な効力を発揮します。
その一方、光学性能はどのような革新が起こったのでしょうか?
Fマウントの始まりから終焉までの約50年に渡る歴史の中、その後期に発売されたこの大人気レンズの中身を紐解くことで理解することが可能となるでしょう。
これまでは、ここらで「私的回顧録」としてコラムのような物を書いていたのですが、記事が長くなりすぎるので、別々の記事にすることにしました。
文献調査
発売年ごろのNIKONが出願している特許をつぶさに調べると、構成図のよく似た複数の文献が発見されます。
光学系の構成を請求項に記載する特開2014-145801が製品に近しい物と推測されます。
ここに記載された図面から判断するに、実施例1を製品化したと仮定し、設計データを以下に再現してみます。
関連記事:特許の原文を参照する方法
!注意事項!
以下の設計値などと称する値は適当な特許文献などからカンで選び再現した物で、実際の製品と一致するものではありません。当然、データ類は保証されるものでもなく、本データを使って発生したあらゆる事故や損害に対して私は責任を負いません。
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設計値の推測と分析
性能評価の内容などについて簡単にまとめた記事は以下のリンク先を参照ください。
光路図

上図がNIKON AF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6Gの光路図になります。

