シグマ フルサイズ用の高倍率&超望遠ズーム APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSMの性能分析・レビュー記事です。
さて、写真やカメラが趣味の方でも、レンズの仕組みや性能の違いがよくわからないと感じませんか?
当ブログでは、光学エンジニアでいわゆるレンズのプロである私(高山仁)が、レンズの時代背景や特許情報から設計値を推定し、知られざる真の光学性能をやさしく紹介します。
当記事をお読みいただくと、あなたの人生におけるパートナーとなるような、究極の1本が見つかるかもしれません。
作例写真は準備中です。
レンズの概要
近年のSIGMAは、Artラインに代表される大口径単焦点レンズのイメージが定着しておりますが、昔から超望遠レンズに力を入れているメーカーでもあります。
例えば、300mm F2.8や800mm F5.6などのカメラメーカー独壇場である超望遠レンズの市場にもかつては製品を発売していました。
近年SIGMAの超望遠レンズは単焦点からズームレンズへ主力製品をシフトしており、ヒコーキや鳥、鉄道、モータースポーツ写真などの分野で人気を博しています。
今回分析するSIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSMは、高変倍率10倍を達成しながら、焦点距離500mmに至る超望遠と脅威の高仕様レンズです。
一般に焦点距離400mmを越える仕様を「超望遠」と称し、そしてズーム倍率が5倍を超えると「高倍率」と分類するので、このレンズはまさしく高倍率超望遠ズームレンズと呼ぶにふさわしい仕様ですね。
続いて、SIGMA高倍率超望遠ズームレンズの系譜を確認してみましょう。
- 50-500mm F4.5-6.3 EX DG HSM(2005)16群20枚
- 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM(2010)16群22枚当記事
- 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports(2018)19群25枚
- 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS HSM | Sports(2023)19群27枚
なお、今回は別系統といたしましたが、150-600mm F5-6.3 のラインもあり、SIGMAの焦点距離600mmに対する熱い執念を感じます。
フィルムカメラ時代の末期2005年に先代となる初代レンズがEXシリーズから発売されており、当記事のレンズは二代目として一眼レフのデジタル化が一般化した2010年に発売されています。
2010年頃のカメラ市場を振り返ると、デジタル一眼レフカメラがまさに飛ぶように売れた時期です。
この頃、NIKON D3などのフルサイズカメラの販売が始まっていましたが、まだ主流は撮像素子サイズが「APS-C」のカメラでした。

「APS-Cカメラ」にフルサイズ用レンズを装着すると、画角として焦点距離が約1.5倍になることから、望遠レンズのユーザーはむしろ好んでAPS-Cを愛用していたようにも思います。
超高画素のミラーレス一眼カメラが主流となった現代の感覚なら「トリミングすれば良い」とも考えられますが、当時は大きくトリミングするほど画素数が十分ではなかった時代なので感覚が異なりますね。
APS-Cのカメラなら焦点距離600mmのレンズを画角として1.5倍で使えるのですから、換算焦点距離900mm相当として使えます。
フルサイズでは実現しづらい焦点距離ですよね。
文献調査
当時の特許をつぶさに調べると特開2011-39260の表紙に記載された構成図が超望遠ズームらしき形態であることがわかりました。
内容を詳細に確認すると、実施例2が当記事のレンズの形態に近いことがわかりました。
この文献の実施例を製品化したと仮定し、設計データを以下に再現してみます。
!注意事項!
以下の設計値などと称する値は適当な特許文献などからカンで選び再現した物で、実際の製品と一致するものではありません。当然、データ類は保証されるものでもなく、本データを使って発生したあらゆる事故や損害に対して私は責任を負いません。
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設計値の推測と分析
性能評価の内容などについて簡単にまとめた記事は以下のリンク先を参照ください。
光路図

上図がSIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSMの光路図になります。

